1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織細胞の機能発現に及ぼすアデノシンの影響に関する研究
Project/Area Number |
10671965
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263295)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70239490)
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
池澤 一彦 大阪大学, 歯学部, 助手 (80294114)
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Keywords | アデノシン / アデノシンレセプター / インターロイキン / cAMP / 歯肉線維芽細胞 / ヒアルロン酸 / 細胞接着 |
Research Abstract |
歯周組織を構成する細胞の一つである歯肉線維芽細胞(HGF)のサイトカイン産生および3種類のヒアルロン酸合成酵素(HAS1,2,3)に及ぼすアデノシンの影響とサイトカイン産生に関わるシグナル伝達系について検討した。HGFをアデノシンレセプターアゴニストである2-chloroadenosine(2-Cado)で刺激すると、interleukin-6(IL-6)の産生が亢進することは昨年度明らかにした。今回はさらに2-cadoがinterleukin-8(IL-8)の産生をも亢進させることが明らかとなった。2-CadoによるHGFからのIL-6にはcyclicAMP/PKAを介した経路が関与していることを昨年度明らかにした。これに加えて今回我々はWortomannin(phosphatidylinositol3-kinaseインヒビター)、U73122(phospholipase Cインヒビター)、Ro-318220(PKCインヒビター)、PD98059(MAPkinaseインヒビター)などの刺激伝達系のインヒビターを用いて解析した結果、2-cadoによるHGFのIL-6、IL-8産生誘導にはPKCおよびMAPkinaseの関与が示唆された。また2-cadoによるHGFのIL-8産生誘導にもIL-6産生と同様にcyclicAMP/PKA経路が関与していることが示唆された。一方、2-cadoはHGF中のHAS1mRNAの発現を強く亢進し、HAS2,3については強く亢進させなかった。これに対しコラーゲンタイプI、タイプIII、ラミニン、フィブロネクチンmRNAの発現に著明な変化は認められなかった。HGFとリンパ球との接着に及ぼす2-casoの影響を検討した結果、2-cadoはIL-1βによって誘導されるHGF上のICAM-1分子の発現を抑制し、さらにIL-1β刺激HGFと活性化Tリンパ球との接着をも抑制した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shinya MURAKAMI: "Adenosine regulates the production of interleukin-6 by human gingival fibroblasts via cyclic AMP/protein kinase A pathway"journal of periodontal research. 27(in press). (2000)
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[Publications] 橋川 智子: "歯肉線維芽細胞のヒアルロン酸合成酵素発現に及ぼすアデノシンの影響"日本歯周病学会誌. 第41巻 春季特別号. 110-110 (1999)
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[Publications] 橋川 智子: "歯肉線維芽細胞の機能発現に及ぼすアデノシンの影響"日本歯周病学会誌. 第40巻 春季特別号. 115-115 (1998)