1999 Fiscal Year Annual Research Report
Ru^<II>触媒を用いるメソ不斉化による高機能性キラル合成素子の開発
Project/Area Number |
10671982
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 勉 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50006350)
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Keywords | キラル合成素子 / ルテニウムーキラルアミン錯体 / 不斉水素転移反応 / 不斉分割 / キラルシクロペンタジエノン / エナンチオ制御合成 / 抗生物質 / ペンテノマイシン |
Research Abstract |
ルテニウム(Ru^<II>)-キラルジアミン錯体[Ru^<II>-(S,S)or(R,R)-TsDPEN]触媒存在下の不斉水素転位反応を適用する分割手法の開発を検討した. 本反応は通常はラセミ混合物中の一方の対掌体をアキラルにするために最大50%のキラル体しかもたらされないが,キラルなバックグランドを持つ基質を選ぶことによってラセミ基質中の両対掌体の双方をキラル体として活用させ得ることに初めて成功した.すなわち,すでに多目的キラル合成素子として利用性の高いシクロペンタジエノンのキラル等価体として機能するケトジシクロペンタジエン(KDP)の本法による新たな合成法の開発を検討し,ラセミ基質アリルアルコールがα無置換体ならびにα置換体に関わらず不斉分割下の水素転位反応が起こり2種のキラル成績体を与えることを見出した.無置換体は光学純度の点で酵素法に劣るものの酵素反応が進行しがたいα置換体ではいずれも好結果をもたらした.この結果はStreptomyces eurythermusの産生するグラム陰性,陽性両菌に活性を示す(-)-pentenomycinのエナンチオ制御合成に適用することができた.
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[Publications] 菅原 勉: "Baylis-Hillman Protocol in an Enantiocontrolled Synthesis of Pentenomycin I"Synlett. 419-420 (1999)
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[Publications] 井浦 陽介: "Oxidative Resolution of 2-Cyclopentenols By the Asymmetric Hydrogen Transfer Protocol"Tetrahedron Lett.. 40. 5735-5738 (1999)