1999 Fiscal Year Annual Research Report
デオキシタイプフラボノイド合成酵素の遺伝子レベルからの解明
Project/Area Number |
10671991
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
野口 博司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60126141)
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Keywords | コガネバナ / カルコン合成酵素 / シソ / ナリンゲニン |
Research Abstract |
シソ科コガネバナの抗ウイルス成分と見なされるwogonin.baicalein.oroxylin-A等、B環水酸基の欠如した、固有フラボノイドのシキミ酸経路由来部分は桂皮酸CoAに由来することを、コガネバナからCHS遺伝子を異種発現させ酵素学的検討を行い、桂皮酸CoAに基質特異性を有する酵素をコードする遺伝子の存在することを示し、デオキシタイプフラボノイド生合成経路を明らかとすることを目的とした。PCR法を用いて5つの独立と見られる遺伝子(P1-P5)を単離した。ここで異種発現酵素タンパクがCHS活性を有する、P1並びにP4遺伝子の酵素タンパクを大腸菌において大量調製し、アフィニティカラム、DEAEカラムで精製を行い、それぞれ比活性369pkat/mg、26pkat/mgで単一バンドを示す酵素を得た。いずれの酵素もプライマーとして桂皮酸CoA、p-クマル酸CoAを受け入れ、マロニルCoAを3個脱炭酸縮合したナリンゲニン,ピノセンブリン生産した。これらについてHPLCで定量分析した。その上でp-クマル酸CoAをプライマーとした場合はナリンゲニンを、桂皮酸CoAをプライマーとした場合はピノセンブリンを生成物として酵素キネティクスを検討した。P1の桂皮酸CoAに対する至適pH7.0-7.5Km:54.7μM、p-クマル酸CoA対する至適pH8.0Km.36.1μM、一方P4は桂皮酸CoAに対する至適pH7.0-7.5Km:2.6μM、p-クマル酸CoA対する至適pH8.0Km:3.5μM。従ってP1はp-クマル酸CoAに対して、P4は桂皮酸CoAに対して親和性が高いことが明らかとなった。これからp-4が目的とする遺伝子ごとくであるが57番のAlaは他のCHSでは例がなく、比活性の著しく低いところからもさらに検討を加える必要があると思われる。
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