1999 Fiscal Year Annual Research Report
アシルアニオンとしてのアシル前同期金属錯体を用いる反応の開発に関する研究
Project/Area Number |
10672000
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
榛澤 雄二 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10096688)
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Keywords | アシルアニオン / アシルジルコノセン / 銅触媒 / カップリング反応 / シアノクプラート / ケトンα,β-ジアニオン / 求核反応 |
Research Abstract |
1)"unmasked"アシルアニオン供与体としてのアシルジルコノセン錯体は一価の銅塩の触媒存在下、アリルあるいはプロパルギルハライドあるいはスルホン酸エステル誘導体と温和な条件下カップリング反応を起こし、アリルケトンあるいはアレニルケトン誘導体を収率よく与えた。本方法は、すでに我々により報告されたパラジウム触媒を用いるカップリング反応の相補的な反応であるが、アリルケトンの合成法としては、生成物の異性化等の問題もなく優れた反応と言える。 3 α、βー不飽和アシルジルコノセン錯体とマロン酸エステルアニオンとの反応によるMichael付加反応、続く錯体塩素イオンの脱離によるケテン誘導体ージルコノセン錯体の新規発生を見いだした。さらに、ケテン誘導体ージルコノセン錯体への一価銅の添加後、アリルはライドを加えることによりMichael付加反応とカップリング反応が一挙に進行することを明らかにした。 4 α、βー不飽和アシルジルコノセン錯体と高次シアノクプラートを炭素求核試薬とする反応を検討した。すなわちα、βー不飽和アシルジルコノセン錯体は高次シアノクプラートとの反応で、ケトンα、βージアニオン前駆体になることを明らかにし、親電子試薬による補足実験でβー位炭素の補足に成功した。したがって、2)、3)の実験からα、βー不飽和アシルジルコノセン錯体のβー位炭素およびアシル基炭素は反応条件により、求核的あるいは求電子的な挙動を示すことを明らかにした。
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[Publications] YUJI HANZAWA: "Acylzireonocene chloride as an "Unmasked"Acyl Anion:Enomtioselective 1,2-addition to α,β-Unsaturated Ketone Derivates"Angew.Chem.Int.Ed.. 38・16. 2395-2398 (1999)
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[Publications] YUJI HANZAWA: "Copper(I)-Catalyzed Cross-coupling Reaction of Acylzirconocen Complexes with Allylic and/or Proparrgilic Halides"Tetrahedron Letters. 41・1. 109-112 (2000)