1999 Fiscal Year Annual Research Report
癌転位阻害,抗腫瘍活性等の特異な生理活性を示す物質類の不斉合成
Project/Area Number |
10672002
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
秋田 弘幸 東邦大学, 薬学部, 教授 (60087525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 雅子 東邦大学, 薬学部, 助手 (10277345)
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 講師 (80276609)
尾能 満智子 東邦大学, 薬学部, 助教授 (80104149)
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Keywords | Macrosphelide A / Vitamin E / 抗生物質 / 全合成 / リパーゼ |
Research Abstract |
平成11年度は平成10年度から引き続き生理活性化合物の全合成研究を行った。 Macrosphelide A(1)は細胞接着阻害作用を有することから癌転移阻害活性を示す16員環トリエステル構造を有するマクロライド系抗生物質である。1の不斉合成にあたっては2分子の(4R)-benzyloxy-(5S)-hydroxy-2(E)-hexenoate(2)と(3S)-hydroxybutanoate(3)を順次縮合させ、最後にマクロラクトン化で可能と考えられる。すなわち、市販のソルビン酸エステル(4)から得られるラセミの(4,5)-epoxy-2(E)-hexenoate(5)のルイス酸触媒存在下benzyl alcoholとの反応によって得られるラセミの2をアセチル化して相当するラセミのアセテート6を得た。ラセミの6のリパーゼを用いた不斉加水分解で高光学純度の(4S,5R)-2と(4R,5S)-6を得た。(4R,5S)-6は加水分解して(4R,5S)-2へ導き、(4R,5S)-2のエステル基をトリクロルエチル基に変換後、ニ量化してジエステル(7)に導き、次いで(3S)-3との反応によりtriester(8)を得た。8のトリクロルエチル基を脱保護してセコ酸(9)へ導き、山口法によるマクロラクトン化で16員環を形成させ、最後にm-xylene/AlCl_3系で脱ベンジル化してmacrosphelide A(1)を合成した。本年度は更に酸素反応を基盤としてvitamin E(10)の全合成も行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ono,C.Saotome,and H.Akita: "The Reaction of 4,5-Epoxy-2(E)-hexenoate and Secondary Amines,Total Synthesis of (-)-Osmundalactone and (-)-Forosamine."Heterocycles. 51. 1503-1508 (1999)
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[Publications] M.Nozawa,K.Takahashi,K.Kato and H.Akita: "Enantioselective Synthesis of(2R,4'R,8'R)-α- Tocopherol(Vitamin E)Based on Enzymatic Function."Chem.Pharm.Bull.. 48. 272-277 (2000)