1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規固相合成法に基盤を置いた硫酸化チロシン含有ペプチドの生物有機化学的研究
Project/Area Number |
10672008
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
北川 幸己 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (60093853)
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Keywords | 化学合成 / 固相ペプチド合成 / 硫酸化チロシン / チオエステル法 / 大分子型コレシストキニン |
Research Abstract |
1.チオエステルセグメント縮合法による大分子型CCKペプチドの合成と生理活性の評価: 著者らが開発した硫酸化チロシン含有ペプチドの効率的固相合成法とチオエステルセグメント縮合法を組み合わせたアプローチにより,未だ生理作用が明確でない大分子型CCKの合成を行い,その生理作用を明確にすることを目的とした。 (1)硫酸化チロシンを含むC末端セグメント(15残基ペプチド:I)を効率的固相合成法により合成した。 (2)Fmoc法にてペプチド鎖を構築した後にチオエステル化し,さらに部分保護体に導くという手法で3種のチオエステルセグメント(24残基ペプチド:IIa,15残基ペプチド:IIb,28残基ペプチド:III)を合成した。なお,(1),(2)の合成では固相担体としてクロルトリチル樹脂を活用した。 (3)チオエステルセグメント縮合法により[I]と[IIa]の縮合を行い,HPLCで精製して縮合成積体を得た。次いで3個のBoc保護基の除去を硫酸化チロシン残基が損傷しない低温下でのTFA処理により行い,CCK-39に導いた。 (4)チオエステルセグメント縮合法により[I]と[IIb]の縮合を行い,Fmoc基を除去後,さらに[III]を縮合させた。HPLCで精製後,Boc保護基を酸処理により除去してCCK-58に導いた。 現在合成したCCK-58の生理活性を検討中である。今回大分子型のCCKペプチドであるCCK-58の合成に成功したが,ここで採用したアプローチは長鎖の硫酸化ペプチドの化学合成に対応できるものであり,合成ペプチドを用いた蛋白質硫酸化の意義や機能の解明に資するところがあると考えている。 2.緩和な酸処理で除去できるグアニド保護基の硫酸化ペプチド合成への応用:著者らが報告した硫酸化チロシン含有ペプチドの効率的固相合成法をさらに改善するため,酸に鋭敏なBoc基でグアニド基を保護したFmoc-Arg(Boc)_2-OHをbuilding blockとして用いる硫酸化ペプチドの固相合成を検討中である。
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[Publications] Kouki Kitagawa: "Synthesis of the Big-molecular-form CCK-peptide by a Thioester Segment Condensation Approach"Peptide Science 1999. 113-116 (2000)
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[Publications] Kouki Kitagawa: "Efficient Solid-phase Method for the Synthesis of Sulfated Peptides: Application to the Synthesis of Big Molecular Form Gastrin-II/Cholecystokinin Peptides"Frontiers in Protein Chemistry and Biotechnology. 51-55 (1999)