1998 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム触媒によるカルボニルα-アリレーションを用いる多環系の構築
Project/Area Number |
10672014
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Research Institution | Research Foundation Itsuu Laboratory |
Principal Investigator |
村竹 英昭 (財)乙卯研究所, 研究員 (60142064)
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Keywords | パラジウム触媒反応 / α-アリレーション / カルボニル基 / ホルミル基 / ニトロ基 / 分子内閉環反応 / 多環系化合物 |
Research Abstract |
有機化学に於いて、最近10年間で最も進歩した分野は有機金属化学であろう。とりわけ、パラジウム触媒を用いたアリール化反応の爆発的進歩には目覚ましいものがあり、有機合成化学に於いて、その反応が利用される頻度は列挙が困難なほどである。 我々は数年前に、抗腫瘍性抗生物質デュオカルマイシンSAの全合成過程において、分子内ケトンのα位をアリール化する必要が生じ、当時知られていた手法[1)silyl enol ether化 2)Pd触媒、Bu_3SnF、加熱]をその簡便性、収率ではるかに上回る触媒系[PdCl_2(Ph_3P)_2,Cs_2CO_3]を見い出した。本反応系は分子内反応として一般性があり、アリール基の縮合した架橋、及びスピロシクロアルカノンの簡便合成法へと展開した。今回、更にその汎用性を高めるべく検討した結果、以下の研究成果を上げることが出来た。 (1) ホルミル基をターミネーターとする分子内パラジウム触媒閉環----ホルミル基のα位もTHF中、分子内でPd触媒下アリール化を受け、テルペン等の合成に有用と思われる3環性成績体が好収率で得られた。この際、トルエン等の低極性溶媒中では、アリール基はホルミル基の炭素-水素結合に押入され、結果としてFriedel-Crafts型の反応が起こることも見い出した。 (2) ニトロ基をターミネーターとする分子内パラジウム触媒閉環----これまで、ニトロ基のα位にPd触媒下アリール化が起きた例はなかったが、上記触媒系のもと、分子内反応でニトロ基もターミネーターとして機能することを見い出した。成績体のうち、2級のニトロ基は一部カルボニル基へと変化し、また3級のニトロ基は部分的に、スチレン型のオレフィンへと変化することも判明した。 現在、これらの知見を応用した天然物合成を鋭意検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Muratake: "Synthesis of Furan and Thiophene Analogs of Duocar・・・・" Chem.Pharm.Bull.45. 799-806 (1997)
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[Publications] H.Muratake: "A Novel Phenol-Forming Reaction for Preparation of・・・・" Tetrahedron Letters. 38. 7577-7580 (1997)
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[Publications] H.Muratake: "Palladium-Catalyzed Intramolecular α-Arylation of Ali・・・・" Tetrahedron Letters. 38. 7581-7582 (1997)
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[Publications] H.Muratake: "Synthesis of Duocarmycin SA by Way of Methyl 4-(Me・・・・" Chem.Pharm.Bull.46. 400-412 (1998)
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[Publications] H.Muratake: "Preparation of Alkyl-Substituted Indoles in the Benzene・・・・" Chem.Pharm.Bull.46. 559-571 (1998)
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[Publications] H.Muratake: "Intramolecular Cyclization Using Palladium-Catalyzed・・・・" Tetrahedron Letters. 40. 2355-2358 (1999)