1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672015
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 猛 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 先任研究員 (80087569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 康治 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員 (60280723)
|
Keywords | モノクレート / 二級水酸基の反転反応 / テトラヒドロピラン / アジド / 炭素-窒素結合形成反応 / 環状エーテルの転位-環拡大反応 / オキセパン / 炭素-炭素結合の転位反応 |
Research Abstract |
モノクレートの優れた脱離能を利用した新規反応として3種の反応を開発した。我々は既にモノクレートとCsOAcとの反応において反転したアセテートが効率良く得られることを報告しているが、この手法を種々の求核剤による置換反応に応用しアジドの導入による効率的C-N結合形成反応を開発した。即ち、種々の二級アルコールより容易に得られるモノクレートをDMF中NaN_3またはLiN_3と加熱すると反転したアジドが好収率で得られることを見出した。この反応は相応するメシレートが低反応性で反応しない場合やトリフレートが不安定で脱離してしまう場合においても有効であった。また、側鎖α位にモノクレートを有する環状エーテルをAcOH-H_2O中Zn(OAc)_2と加熱すると転位一環拡大したエーテルが生成するが、dioxane-H_2O中でもこの反応は進行し、ルイス酸としてZn(OAc)_2やSc(OTf)_3が有効なことを見出した。この反応は生物活性多環状エーテル系天然物(プレベトキシンB、ヘミブレベトキシンB、シガトキシン、マイトトキシン等)の基本構成単位である8および9員環エーテルの効率的合成に応用予定である。さらに、環状エーテルの転位一環拡大反応における酸素原子の転位反応をアルキル基の転位反応に応用し、モノクレートとanti-periPlanarな炭素一炭素結合が容易に転位し、新骨格を形成することを見出した。
|