1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672023
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
四ツ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨本 紀夫 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (40192273)
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Keywords | 塩基性polypeptide / カチオン性liposome / DNA / poly-L-lysine / liposome複合体 / DNA細胞内導入 / pSV2CAT / コレステロール誘導体 |
Research Abstract |
DNAの細胞内導入キャリヤーとしてカチオン性liposomeや塩基性polypeptideはウィルス性のキャリヤーに比べて導入効率は低いが安全性の点で有望視されている.塩基性polypeptide(lysine,ornithine,arginine)の導入効率をさらに向上させるために,3級アミンをもつコレステロール誘導体(3-β-[N-(N',N'-dimethylaminopropane)-carbamoyl]-cholesterol)を主成分とするliposomeの影響を検討した.評価系としてpSV2CAT,HeLa S3系におけるCAT活性発現を用いた.また,DNA/peptide/liposome複合体の形態,細胞との相互作用におけるpeptideの種類,分子量の影響等も調べ,以下の結果を得た. 1. 塩基性polypeptideはカチオン性liposomeによって遺伝子発現を増強した.poly-L-lysineに対する増強効果が最も大きかった.また,その効果は分子量,濃度に依存した. 2. 酵素によるDNAの分解はliposomeの添加により抑制された. 3. 共焦点レーザー走査顕微鏡観察,電気泳動等により,DNAとpeptideは静電的に結合し,凝集体を形成しその周囲をliposomeが覆った構造をしていると考えられた.さらに,DNA/poly-L-lysine複合体の形態は,peptideの分子量に依存するが,DNA/poly-L-lysine/liposome複合体には分子量,濃度の影響がみられなかった. 4. 複合体の細胞への吸着や取り込みは,コレステロール誘導体peptideの濃度が高いほど吸着量は増加し,取り込み量は減少する傾向が見られた. 5. これらの結果から,最適条件の導入系を用いて凍結乾燥操作の影響を検討する予定である.
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