2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672023
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
四ッ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨本 紀夫 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (40192273)
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Keywords | MAP / DNA複合体 / 親和性 / 複合体の解離 / 粒子径 / 凝縮 |
Research Abstract |
数種類の樹枝状に枝分かれしたペプチド(MAP)を合成した。8本鎖及び4本鎖の枝分かれ構造を持つMAPについて、それぞれ3及び12残基のアミノ酸から成るペプチド鎖を含むMAPをリジンを構成アミノ酸として合成し、DNAとの複合体の形成能及び諸性質をリニアーな構造を持つポリリジンと比較して検討した。アガロースゲル電気泳動の結果、分子量の小さいペプチドほどDNAとの結合性は高く、8本鎖より4本鎖のMAPの方が親和性が高かった。更に、DNA-peptide複合体からのDNAの解離をSDS処理により調べた結果、ペプチドの割合が増えるほど複合体からの解離は抑えられた。特に4本鎖の鎖長3のMAPでは完全にDNAからペプチドを解離させることはできなかった。この傾向は分子量の小さいポリリジンでも見られた。細胞へのトランスフェクションのためには、DNA複合体の形成が必要であるが、あまり強く結合すると遺伝子発現に支障を来すのかもしれない。複合体の大きさについてdynamic light scattaring(DLS)法と原子間力顕微鏡(AFM)を使って調べた。用いたプラスミドDNA(pSV2CAT)の大きさは約250nm、MAPを添加すると粒子サイズは約100nmに低下した。DNA分子が凝縮し、コンパクトになったと考えられる。ペプチドの混合比率を増すと凝集体の形成が観測され、DLSでは10μm、AFMでは数10μmの凝集体が観測された。大きな凝集体由来の粒子が細胞内へ取り込まれ、細胞内でDNAがペプチドと解離し遺伝子発現に至るものと考えられる。
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