1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体計測ESR法におけるスピンクリアランスの機構解明
Project/Area Number |
10672035
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
安西 和紀 放射線医学総合研究所, 第1研究グループ, 研究員 (70128643)
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Keywords | ^<14>C標識スピンプローブ / 全身オートラジオグラフィー / 血液脳関門 / 三次元ESRイメージング |
Research Abstract |
アンモニアと[^<14>C]アセトンを出発原料として、3分子のアセトンと1分子のアンモニアの縮合反応により[^<14>C]トリアセトンアミンを合成した。この化合物は種々のスピンプローブ合成の出発原料となる重要な中間体である。これを原料にして、[^<14>C]carbamoyl-PROXYLを合成した。さらに、[^<14>C]carbamoyl-PROXYLを原料にして[^<14>C]methoxycarbonyl-PROXYL([^<14>C]MC-PROXYL)を合成した。得られた標識化合物の非放射能は10.4μCi/mmolであり、オートラジオグラフイーの実験に十分使用可能であることが確認された。 得られた[^<14>C]carbamoyl-PROXYおよび[^<14>C]MC-PROXYLをラット尾静脈から投与し、ラットを一定時間後に凍結することにより全身オートラジオグラフィーを行なった。画像化および解析は定量的な測定が可能なイメージングプレートを用いてBAS2000にて行なった。その結果、[^<14>C]MC-PROXYLは血液脳関門を通って速やかに脳内に移行するが、対照的に[^<14>C]carbamoyl-PROXYは血液脳関門を通過せず脳内には移行しないことが明確に示された。 MC-PROXYLあるいはcarbamoyl-PROXYを投与することにより、新たに開発された三次元ESRイメージング装置を用いてラット頭部のイメージングを行なった。その結果、両者の画像に差が認められ、ここは脳部分に対応しているので、MC-PROXYLで脳のイメージが得られていることが推定された。
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