1999 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアに発現させた高等動物イオン輸送系の構造と機能の解析
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10672037
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 辰之介 千葉大学, 薬学部, 助手 (20114308)
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Keywords | イオン選択性 / チャネル / Na^+排出 / K^+輸送系 / 構造と機能 / トランスポーター / antiporter |
Research Abstract |
TRPはイオン選択性が弱い、動物のカチオンチャネルである。TRPを、Na^+排出活性が無いために、Na^+感受性である大腸菌TO114に発現させて、Na^+感受性になるか検討し、弱いながら再現性を持って感受性にすることを確認した。さらに、TRPにHisタグを付けた遺伝子を構築して、この蛋白が細菌細胞膜に発現することを観察した。 本研究は、植物のK^+輸送系HKT1を細菌細胞膜上で構造と機能を検討する事にも発展した(2000,Plant Physiology)。さらに、HKT1は、細菌のK^+輸送系KtrBと構造上関連があり、KtrBは、動物の2回膜貫通型K^+チャネルが分子内で4回繰り返された構造を取るという推測を発表した(1999,Biophysical Journal)。動物のチャネルと、細菌のトランスポーターの構造上の相関を指摘した初めての報告である。我々は、KtrBの構造予測に従って部位特異的に変異を導入を行い、290番目のグリシンがK^+の選択性に関与しているという結果を得た(1999,FEBS Letters)。 光合成を行う細胞内小器官を持つシアノバクテリアに、海洋細菌のNa^+/H^+ antiporterを発現させるという試みも行い報告した(1999,Plant Cell Physiology)。 以上の知見をまとめて、蛋白質核酸酵素(1999)に総説を発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N. Uozumi: "Characterization of AtHKT1, the Arabidopsis thaliana HKT1 gene, which product mediate K^+ uptake in Esherichia coli"Plant Physiology. (in press). (2000)
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[Publications] 中村辰之介: "動植物と細菌のカチオン輸送系の接点"蛋白質核酸酵素. 44. 1988-1995 (1999)
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[Publications] S. R. Durell: "Evolutionary relationship between K^+ channels and symporters"Biophysical Journal. 77. 775-788 (1999)
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[Publications] N. Kaku: "Expression of nhaAv gene encoding Na+/H+ antiporter from Vibric alginolyticus in a freshwater cyanobacterium Synechococcus sp."Plant Cell Physiology. 40. 557-564 (1999)
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[Publications] N. Tholema: "Change to alanine of one out of four selectivity filter glycines in KtrB causes a two orders of magnitude decrease in the affinities"FEBS Letters. 450. 217-220 (1999)