2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的に発現するCa^<2+>制御蛋白質レギュカルチン遺伝子の転写調節機構
Project/Area Number |
10672048
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究科, 教授 (70046308)
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Keywords | レギュカルチン / 細胞内情報伝達 / カルシウム / 遺伝子発現 / 肝細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究は、肝臓に特異発現するCa^<2+>シグナリングの制御蛋白質レギュカルチン(regucalcin;RC)の遺伝子の発現調節機構を究明することを目的にしている。特に,RC遺伝子プロモーター領域のNF-1結合配列を認識する肝細胞核因子の結合がプロテインキナーゼによるリン酸化によって変化するのかについて,クローン化ラット肝がん細胞(Hg-II-E)を用いて調べた。その結果,RC遺伝子プロモーター領域のNF-1結合配列(TTGGC)に特異結合する核蛋白質は、プロテインキナーゼC,チロシンキナーゼ及びCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼによってリン酸化を受けることが,それらキナーゼの特異的阻害剤を用いて明らかにした。そこでさらに,RC遺伝子のプロモーター領域に特異結合する転写因子の同定を行なうために、ワンハイブリッド法によってクローニングを行なった。その結果、RC遺伝子プロモーター領域のTTGGC配列に結合する核内蛋白質として、NF-1(IIa)と他の転写因子が関与することが見出された。他の転写因子のcDNAクローニングの結果、新規蛋白質であることが判明した。これまでの知見から、RC遺伝子の発現は、Ca^<2+>シグナリングによって調節されており、核内の転写因子をリン酸化することにより、RC遺伝子のプロモーター領域の、TTGGC配列に結合することにより増進されることが解明された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroyuki Misawa,Masayoshi Yamaguchi: "Intracellular signaling factors-enhanced hepatic nuclear protein binding to TTGGC sequence in the rat regucalcin gene・・・"Biochemical and Biophysical Research Communication. 279. 275-281 (2000)
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[Publications] Hiroyuki Misawa,Masayoshi Yamaguchi: "Involvement of hapatic nuclear factor I binding motif transcriptional regulation of Ca^<2+>-binding protein・・・"Biochemical and Biophysical Research Communication. 269. 270-278 (2000)
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[Publications] Masayoshi Yamaguchi: "Role of regucalcin in calcium signaling"Life Sciences. 66. 1769-1780 (2000)
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[Publications] Masayoshi Yamaguchi: "The role of regucalcin in nuclear regulation of regenerating liver"Biochemical and Biophysical Research Communications. 276. 1-6 (2000)