1999 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア型グルタチオンペルオキシンダーゼの転写制御機構及びその機構の解明
Project/Area Number |
10672052
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中川 靖一 北里大学, 薬学部, 教授 (00119603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 講師 (50255361)
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Keywords | グルタチオンペルオキシダーゼ / 過酸化脂質 / 抗酸化酵素 |
Research Abstract |
昨年度作製したミトコンドリア型PHGPx高発現細胞(M15細胞)のアポトーシスについて検討した。2-デオキシグルコース(2DG)で親株(RBL2H3細胞)を12時間処理すると、DNAの断片化が観察され、アポトーシスが誘導された。ミトコンドリアにPHGPxを高発現すると、2DGによるアポトーシスは完全に抑制された。M15細胞をDEMでPHGPx活性を阻害した場合には、アポトーシスは誘導された。M15細胞では2DGによるミトコンドリアからのシトクロームc(cyt.c)の遊離、それに続くカスペースの活性化も見られなかった。M15細胞内のヒドロペルオキシドの産生を調べたところ、親株とは異なり、2DGによるヒドロペルオキシドの産生はほとんど見られなかった。このことから、PHGPxはミトコンドリア内のヒドロペルオキシドの産生を抑制して、アポトーシスを阻止しているが示唆された。M15細胞はスタウロスポリン、エトポシドなどミトコンドリアからのcyt.cの遊離を介するいずれのアポトーシスをも抑制したが、Fasリガンドなど直接カスパーゼを活性化するアポトーシスに対しては耐性を示さなかった。以上のことから、ミトコンドリアのPHGPxはミトコンドリアを介するアポトーシスの抑制因子として機能している可能性が示された。
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