1999 Fiscal Year Annual Research Report
Na^+,K^+-ATPaseのNa^+,K^+輸送路の同定
Project/Area Number |
10672053
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
誉田 晴夫 杏林大学, 医学部, 講師 (30086574)
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Keywords | Na^+,K^+-ATPase / オリゴマイシン / Na^+輸送 / K^+輸送 |
Research Abstract |
1.Na^+,K^+-ATPaseをCappasoらの方法(J.Biol.Chem.1992,267:1150)でRb^+存在下トリプシン分解した。 (1)10秒分解後、ATPase活性は約半分に低下したが、Na^+,K^+,ATP,ウアバイン結合量は変わらなかった。 したがって、Na^+,K^+の結合には無傷のNa^+,K^+-ATPaseは必要ないが、膜貫通領域の欠損は非特異的によってリガンド結合能が失われることが、明らかになった。 (2)1分以上分解すると,Na^+,K^+,ATP,ウアバイン結合量も低下した。同時に、Na^+,K^+-ATPase α鎖の膜貫通領域M5-M6部分の膜からの流出が起こることを、イムノブロッテイングで確認した。 2.1.で示したM5-M6部分の膜外流出は、先に示した結果、すなわちM5は単独では安定に膜に組み込まれないが、そこに存在する3個のプロリンをロイシンに変えると安定に組み込まれるとの結果(Biochem.Cell Biol.,1993,71:410)と整合した。この変異体をアフリカツメガエル卵母細胞で発現させたこところ、ATPase活性がなくなることが明らかになった。したがって、M5-M6の膜内での不安定性が、ATPase活性発現に必要であると考えられる。新たな疑問として、M5の膜貫通の方向がα鎖の10回膜貫通モデルとは整合しないことが明らかになったので、今後の研究課題としたい。 3.[^3H]0ligomycinをNa^+,K^+-ATPaseに光親和性標識させる試みは、まだ成功していないので引き続き検討する。これらの研究成果の一部は、9th International Conference on the Na/K-ATPase & Related ATPaseで発表され、来年度出版予定である。
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[Publications] Haruo Homareda: "Oligomycin in "Encyclopedia of Molecular Biology"John Wiley & Sons,Inc.. 3(2855) (1999)
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[Publications] Haruo Homareda: "Effect of oligomycin on interaction of Na^+ with Na^+ ,K^+-ATPase in "Na/K Pump & Related Pump""Elsevier Science B. V.. 4 (2000)