2000 Fiscal Year Annual Research Report
冷・温阻血傷害肝に産生する一酸化窒素のアンチセンス核酸による抑制
Project/Area Number |
10672057
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
土屋 晴嗣 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90057323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 研一 東京医科歯科大学, 大学院, 助教授 (80197813)
坂本 宜俊 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (60287464)
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Keywords | 一酸化窒素 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / アンチセンス核酸 / ホスホロチオエート型 / 阻血傷害 / クッパー細胞 / 核酸医薬 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った. 1)昨年度行ったin situ温阻血障害肝モデルの手術手技妥当性を検討するため,虚血および再灌流中の血中LDH量を指標にした.血中LDH量は虚血中および再灌流3時間以降に濃度上昇が観察され,これまで報告されている温阻血傷害肝モデルでの血中LDH濃度の推移と一致した.本実験手技の妥当性が確認された. 2)温阻血再灌流時に誘導されるiNOS mRNAの発現強度およびNO産生量を実質・非実質細胞群間で比較したところ,虚血30分後の再灌流を3時間施したラット肝から調製した非実質細胞群においてiNOS mRNA発現およびNO産生量の両方とも最大値を示すことが明らかになった. 3)設計した5種類のホスホロチオエート型アンチセンスDNA(AS1〜AS5)を用い2)の条件で非実質細胞群から産生されるNOに対する抑制効果を検討した.iNOS mRNAの5'非翻訳領域に対するAS1がiNOSmRNA発現ならびにNO産生を抑制した.しかしβ-actin mRNA発現も減弱いるので,本配列が毒性を有することが考えられる.また,翻訳領域を標的とするAS3はNO産生を,3'非翻訳領域に対するAS5はiNOS mRNA発現をそれぞれ抑制したが,共にアンチセンスDNA未処理のControlと有意な差はなかった.加えて,AS3ならびにAS5はβ-actin発現を減弱させる傾向が認められ,障害を増悪する可能性が示唆された.
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