1998 Fiscal Year Annual Research Report
白血球の貪食機能の制御に関わるアクチン結合蛋白質と免疫病
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10672064
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
豊島 聰 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40092283)
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Keywords | アクチン結合蛋白質p57 / 白血球 / 貪食細胞 / ファゴソーム / アクチン / NADPHオキシダーゼ / X連鎖性慢性肉芽腫 / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
白血球の貪食制御におけるアクチン結合蛋白質p57の役割について調べるため、まず細胞内のp57の挙動を検索する試薬としての抗p57抗体(p57のN末端側とC末端側を認識する2種類の抗体)を作製した。これらの抗体を用いて調べた結果、貪食初期にはp57はアクチンともにファゴソームに集まるが、成熟したファゴソームからはアクチンとともに遊離することが判明した。一方、NADPHオキシダーゼのサブユニットであるp47phoxやp67phoxは、貪食初期にはp57同様ファゴソームに集まるが、ファゴソームが成熟しても留まっていた。これらの事実は、p57やアクチンがファゴソームの形成に必要であるが、成熟したファゴソームでの機能には関与していないことを示唆する。また、p47phoxやp67phoxが、成熟したファゴソームで活性酸素の産生を通して殺菌効果を示すこととも一致する。このことは、貪食は正常であるが殺菌作用の欠如するX連鎖性慢性肉芽腫症(CGD)患者の貪食細胞を用いた実験からも示唆された。すなわち、CGD貪食細胞では、貪食初期に正常細胞と同様にp57,アクチン,p47phox,p67phoxともファゴソームに集まるが、成熟ファゴソームからはp57やアクチンのみでなく、p47phoxやp67phoxも遊離してしまうことが判明した。P57のファゴソームへの集合と遊離の機作についても検討し、プロテインキナーゼC(PKC)によるリン酸化が、関係することも明らかとなった。すなわち、PKCのインヒビターを貪食時に加えると、成熟ファゴソームからのp57の減少が抑制された。P57のファゴソームへの集合と遊離の機作へのPKCによるリン酸化の関与についてはさらに詳細に検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirohata,S.: "Association of serum IgG antibodies to recombinant ribosomal PO fusion protein with neuropsychiatric systemic lupus erythematosus" Arthritis Rheum.41(4). 745-747 (1998)
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[Publications] Hirohata,S.: "Purity of synthetic ribosomal P peptides in enzyme-linked immunosorbent assey" Arthritis Rheum.41(6). 1137-1138 (1998)
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[Publications] Nakajin,S.: "Mutation of tyrosine-194 and lysine-198 in the catalytic site of pig 3α/β(20β)-hydroxysteroid dehydrogenase" Biochem.J.334. 553-557 (1998)
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[Publications] Nakajin,S.: "An NADPH-dependent reductase in neonatal pig testis that metabolizes androgens and xenobiotics" Biol.Pharm.Bull.21. 1356-1360 (1998)
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[Publications] Morimoto,K.: "Structural characterization of recombinant erythropoietins by fluorophore-assisted carbohydrate electrophoresis" Biol.Pharm.Bull.22. 5-10 (1999)
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[Publications] Allen,L-A: "Transient association of the NADPH oxidase subunits p47phox and p67phox with phagosomes in neutrophils from patients with X-linkied chronic granulomatous disease" BLOOD. (In press). (1999)