1999 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン受容体および一酸化窒素の摂食における役割:過食モデル動物を用いた検討
Project/Area Number |
10672078
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉本 由美 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50187671)
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Keywords | セロトニン受容体 / 一酸化窒素 / 摂食行動 / 過食モデル |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は摂食調節に関与することが明らかになっている。摂食調節には種々のホルモンや神経伝達物質が関与することが知られ、なかでもserotonin(5-HT)は摂食抑制作用を引き起こすことから、5-HT神経系を活性化する薬物は過食症治療薬として用いられている。しかし、5-HTとNOとの摂食調節における関連は不明である。そこで、5-HT作動性神経を抑制し、摂食亢進を引き起こすことが知られている8-OH-DPAT誘発摂食亢進に対するNO合成酵素阻害薬の影響について検討した。8-OH-DPATによる摂食亢進に対し、非選択的NO合成酵索阻害薬および神経型NO合成酵素阻害薬は明らかな抑制を示した。NO合成酵素阻害薬の摂食抑制作用はNOの前駆体であるL-arginineにより拮抗された。以上の知見から、NOが5-HT作動性神経の抑制により惹起される摂食亢進に関与することを明らかにした。さらに摂食調節に重要な役割を担う視床下部の5-HT合成にNO合成酵素阻害薬が影響するか否かを検討した。しかし、NO合成酵素阻害薬は視床下部の5-HT合成を増加させなかったことから、NO合成酵素阻害薬の摂食抑制作用は5-HT合成に対する作用以外の機序により引き起こされるものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Sugimoto: "A neuronal Nitric Oxide Synthase Inhibitor 7-Nitroindazole Reduces the 5-HT_<1A> Receptor Agonist 8-0H-DPAT-Elicited Hyperphagia in Rats"European Journal of Pharmacology. 376・1. 1-5 (1999)
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[Publications] Y.Sugimoto: "Influences of the Non-competitive NMDA Receptor Antagonist MK-801 on 2-Deoxy-D-glucose-Induced Hyperphagia in Rats"European Journal of Pharmacology. 378・2. 149-152 (1999)