1998 Fiscal Year Annual Research Report
血管の老化・アポトーシスにおける線溶制御因子PAI-1の病態生理的役割究明
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10672083
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
添田 秦司 福岡大学, 薬学部, 助教授 (20078695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 太郎 福岡大学, 薬学部, 助手 (20289549)
占野 廣司 福岡大学, 薬学部, 教授 (00078693)
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Keywords | 血管 / 老化 / アポトーシス / 線溶制御因子 / セラミド / 情報伝達因子 / 虚血性心疾患 |
Research Abstract |
線溶抑制因子PAI-1は、心脈管系疾患の危険因子の一つである。本研究は、とくに虚血後血管内皮細胞のアポトーシス進行過程でおこるPAI-1過剰放出の細胞内メカニズムおよび血管壁集積PAI-1の病態生理的役割を明らかにすることを目的とする。以前、血管内皮細胞のPAI-1放出にはセラミド情報伝達系が関与していることを見い出した。細胞内で新たにセラミドを生じる系は、細胞膜、リソゾームなどにおけるスフィンゴミエリン水解系とミクロソームに存在するde novo合成系である。例えば、TNF-α刺激によるPAI-1放出にはリソゾームのスフィンゴミエリン水解系によって生じるセラミドが情報伝達因子として優先的に用いられること、de novo合成系で産生されるセラミドはPAI-1放出のシグナルにならないか、むしろ、抑制性のシグナルとして働くことを明らかにした。さらに、ミトコンドリアにおけるde novo合成系の存在も示すことができた。最近、神経の再生、記憶増強などにも線溶関連因子が直接関与していることが明らかになってきている。本年度は、アストロサイトのPAI-1およびt-PA放出機構についても検討し、セラミドが情報伝達因子として機能していること、本細胞のセラミド情報伝達系は血管内皮細胞のものと異なることなどを見い出した。以上の結果から、セラミドの情報伝達因子としての機能は、産生される場所や細胞種によって大きくことなる可能性があることが判明した。今後さらにこの点を解明することにより虚血性疾患、神経変性疾患などの新しい治療薬開発に繋がる物質の探索を手懸けたい。
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[Publications] Shinji Soeda: "Tumor necrosis factor-α-induced release of plasminogen activator inhibitor-1 from human umbilical vein endothelial cells: involvement of intracellular ceramide signaling event" Biochimica et Biophysica Acta. 1448巻. 37-45 (1998)
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[Publications] Hiroshi Shimeno: "Partial purification and characterization of sphingosine N-acyltransferase(ceramide synthase)from bovine liver mitochondrion-rich fraction" Lipids. 33巻6号. 601-605 (1998)