1999 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞系を利用したP450分子種誘導の定量的予測法の確立
Project/Area Number |
10672094
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥平 和穂 東京理科大学, 薬学部, 助手 (30204134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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Keywords | omeprazole / phenobarbital / 培養細胞 / CYP1A / CYP2B / 酵素誘導 / HepG2 / 予測 |
Research Abstract |
ヒト肝由来の株細胞であるHepG2を使用し、プロトンポンプ阻害剤オメプラゾール(OMP)によるCYP1Aに対する誘導効果について検討を行った。CYP1A活性は、ethoxy resorufin O-deethylation活牲を用いて評価した。HepG2の酵素活性は、OMP100μMまで培地中OMP濃度依存的に増加し、また、誘導剤暴露期間の延長に伴い上昇した。一方、培地中の誘導剤を除去すると96時間後にその効果は消失した。HepG2における誘導効果と実際にヒトにOMPを投与した際の報告例との対応を検討した。培地中非結合型濃度と臨床における最大肝流入濃度を対応させることにより比較を行った結果、in vitroでの濃度1.23μMとほぼ同等の値であるin vivoでの濃度1.04μMにおいて、in vitroではコントロールの1.72倍、in vivoでは1.34倍とほぼ対応する誘導効果が得られた。 ラットにおいても同様の検討を行い、in vitro-in vivo両系の比較において、OMPの非結合型平均濃度及び非結合型最大濃度を用いて誘導効果の比較を行ったところ、前者に基づく比較を行った場合、両系の対応は認められなかったが、後者を用いることによって、in vitro-in vivo両系の誘導効果には良い対応が見られた。 以上より、OMPによる誘導効果は、in vitro-in vivo両系での作用点における非結合型最大濃度を用いることによりin vitro系からin vivoにおける誘導効果を定量的に予測することが可能であることが示された。
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