1998 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス細胞表層抗原とアクロファージによる認識・排除機構
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10672095
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
池北 雅彦 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 助教授 (70138981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 公子 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (40147509)
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Keywords | アポトーシス / 細胞表層抗原 / マクロファージ / 糖タンパク質 / レクチン / シアル酸 / ガレクチン / アスパラギン結合型糖鎖 |
Research Abstract |
アポトーシスは遺伝的にプログラムされた細胞の自己消去機構である.その特徴の1つとして,マクロファージや隣接する上皮細胞などにより速やかに排除され,炎症症状を伴わないことがあげられる.アポトーシスは,単に細胞がプログラムされた機構に従って死ぬだけでなく,速やかに細胞がクリアランスされることが生理的にも病理的にも重要な意味をもっているといえる.このような観点から我々は特に以下の2点に重点をおいて解析した. (1) アポトーシスに伴って変化する細胞表層の糖鎖抗原分子の発現調節機構の解析 (2) アポトーシス細胞のクリアランス機構の全容を明らかにするために,アポトーシスのクリアランス作用を担っているマクロファージ細胞側の認識分子の解析. その結果,次のことが明らかになった. 1) アポトーシス細胞に認められるラクトサミン構造(ガラクトース-N-アセチルグルコサミン)に結合したフコース残基の消失の原因が,フコシダーゼの活性化に起因する結果を得た. 2) 細胞にアポトーシスが誘導されると消失する,フコース残基が結合していた母体タンパク質の構造を決定する迄には至らなかったが,現在そのタンパク質のアミノ酸一次配列を解析中である. 3) 細胞にアポトーシスが誘導されると上記1)の現象とともに,細胞表層のシアル酸残基も遊離しそれに伴ってガラクトース残基が露出することが明らかとなった. 4) アポトーシス細胞に出現する糖鎖抗原分子を組み込んだリポソームを作成し,マクロファージ側のレクチン分子を特定した結果,マクロファージ細胞の細胞表層に存在するガラクトース認識タンパク質(ガレクチン分子)がアポトーシス細胞の認識・クリアランスに関わっていることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池北雅彦 他: Biochem.Biophys.Acta.
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[Publications] 池北雅彦 他: "strong suppresoion of feeding by or peptide containing foth the nuclear location cseguence of firoblast growth factor 1 and a cell men brane-permeable sogues" Neuroscience Letters. 255. 41-44 (1998)
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[Publications] 池北雅彦 他: "図解雑学 遺伝子のしくみ" ナツメ社, 220 (1999)