1998 Fiscal Year Annual Research Report
性特異的発現をするCYP2B subfamily遺伝子の性ホルモン応答機構の解析
Project/Area Number |
10672105
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
根本 信雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10085631)
|
Keywords | CYP2B / マウス肝細胞初代培養系 / 副腎皮質ホルモン / 性ホルモン / フェノバルビタール |
Research Abstract |
フェノバルビタールおよびデキサメタゾン誘導性であるCYP2B subfamilyの肝臓における発現はマウスでは雌>雄で、雌ではCyp2b9>2b10となり、雄は逆の割合となっている。この性特異的発現調節機構の研究が遅れている主因は、この遺伝子の発現維持が可能な培養細胞系が無かったことによる。我々はマウス肝細胞初代培養系の改良により、この問題を克服した。そこで今年度はCyp2b10遺伝子の5′上流域をクローニングし、誘導剤と性ホルモンが発現に際してどのような関係にあるかを検討した。 (1) -1220bpまでをクローニングしてレポーター(ルシフェラーゼ)遺伝子に連結し、肝細胞初代培養系に導入してルシフェラーゼ活性の変化を見たところ、10^<-7>Mデキサメタゾン処理により約5倍に活性が上昇した。塩基配列からこの領域内にグルココルチコイドに応答するhalf領域の存在が多数確認された。フェノバルビタールに対する応答性は高々1.5倍と低く、両者の共存下でも活性のさらなる上昇はないことから、フェノバルビタール応答領域が無いか、あっても同じ応答領域を介していることが示唆された。 (2) 10^<-7>Mの性ホルモン(エストラジオールまたはテストステロン)を処理すると活性は2倍に上昇し、デキサメタゾンの共存下では、相加的に増加することから、両者の誘導機構は異なっていると考えられた。 現在さらに上流域(-2.5kb)までのクローニングが終わったので、フェノバルビタール応答領域の存在の有無と、性ホルモンとの関係について進めている。 また雌雄で発現が異なる原因がどのような調節因子・機構によるかを平行して調べているが、副腎皮質ホルモンがCyp2b9の発現抑制に働くことを示唆する結果を得た。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Sakuma T,Ohtake M,Jarukamjorn K,Nemoto N: "Induction of CYPlA2 by phenobarbital in the livers of arylhydrocarbon-responsive and-nonresponsive mice." Drug Metabol.Dispo.In press.
-
[Publications] Sakuma T,Hieda M,Ohgiya S,Nagata R,Nemoto N,Kamataki T: "Molecular cloning and functional analysis of cynomolgus monkey CYPIA2." Biochem.Pharmacol.56. 131-139 (1998)
-
[Publications] Chida,M,Yokoi T,Nemoto N,Inaba M,Kinoshita M,Kamataki: "A new variant CYP2D6 allele(CYP2D6/C8)with a single base insertion in exon 5 in Japanese population associated with the poor metabolizer phenotype." Pharmacogenetics. in press.