1999 Fiscal Year Annual Research Report
ATバリアントの細胞工学的手法を応用したポジショナルクローニング
Project/Area Number |
10672136
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (90274133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田内 広 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70216597)
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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Keywords | ナイミーヘン症候群 / 高発癌性遺伝病 / 毛細血管拡張性運動失調症 / 放射線感受性 / ポジショナルクローニング / NBS1 / Xrs2 |
Research Abstract |
Nijmegen症候群(NBS)は小頭症と発育遅滞、特異顔貌を特徴とする染色体不安定症候群である。患者由来の細胞は、電離放射線高感受性と染色体不安定性、細胞周期チェックポイントの異常を示す。我々は、微小核移入法による相補性試験および家系解析から、NBS原因遺伝子を8番染色体長腕8q21の約4.5-Mの領域に局在することをつきとめた。さらに、NBS細胞のYACクローン導入による相補性試験で候補領域を800-kbに最小化した。ショットガンシークエンス法を用いてそのほぼ全ての塩基配列を決定し、コンピュータープログラムを利用して原因遺伝子の探索を行った結果、患者にのみ変異の見られる遺伝子NBS1を発見した。NBS1遺伝子は約50kbで、16個のエクソンからなる。予想されるタンパク質は754アミノ酸からなり、N末端側が酵母のDNA修復タンパク質XRS2と29%の相同性を示した。その発現はubiquitousだが、精巣で特に発現レベルが高かった。 さらに、NBS患者細胞に正常NBS1 cDNAを導入して、NBS1/MRE11/RAD50複合体の核内フォーカス形成、細胞の放射線感受性および放射線照射後のG2ブロックについて解析したところ、いずれの形質もNBS1遺伝子の導入で正常化することが判明し、NBS1遺伝子がNijmegen症候群の原因遺伝子であることを機能的に確認した。NBS1複合体はDNA二重鎖切断部位に速やかに集積することから、細胞の損傷DNAを検出するセンサーである可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ito,A.,et al.: "Expression of full-length NBSI protein restores normal radiation responses in cells form Nijmegen breakage syndrome patients."Biochem. Biophys. Res. Commun.. 265. 716-721 (1999)
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[Publications] Morishima,K.,et al.: "A polymophic CA repeat marker at the human 27-KD calbirdin (CALBI) locus"J. Hum. Genet.. 44. 415-416 (1999)
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[Publications] Tauchi,H.,et al.: "Sequence analysis of an 800Kb genomic DNA region on chromosome 8g21,Which contains the Nijmegen breakage syndrome gene,NBSI"Genomics. 65. 242-247 (1999)
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[Publications] Hiramoto,T.,et al.: "Mutations of a novel human RAD54 homologue,RAD54B,in primary cancer"Oncogene. 18. 3422-3426 (1999)
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[Publications] Nakamura,A.,et al.: "Four novel mutations of the Fanconi anemia group A gene (FAA) in Japanese patients"J. Hum. Genet.. 44. 48-51 (1999)