1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス蛋白質の直接導入によるヒト遺伝子上の特定部位への目的遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
10672139
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平井 幸彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (10089617)
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Keywords | 遺伝子治療 / 組換えウイルス / アデノ隨伴ウイルス / AAVベクター / Repタンパク質 / 部位特異的挿入 / HVJ-virosome |
Research Abstract |
1)部位特異的に挿入された野生型AAVの検出方法をAAVS1とITR内にプライマーを設定したnested-PCR法およびそのプライマーセットの更に内側のプローブを用いたSouthern Blotとを組み合わせることにより確立し、AAVS1上へのITRの挿入を塩基配列の検討によって確認した。2)Rep遺伝子を大腸菌内でmaltose binding proteinとの融合蛋白質(Rep/MBP)として発現する系を確立し、部分精製したこのRep融合蛋白質とAAVベクターとを共にヒト培養細胞ヘリポフェクションすると、野生型AAVと同様な様式で部位特異的挿入が行われることを塩基配列においても確認した。従って、(1)部位特異的挿入はAAVベクタープラスミドが細胞導入時にRep蛋白質が存在するすれば行われる事、(2)AAVベクタープラスミドの部位特異的挿入機構は野生型AAVと同様な様式で行われる事、(3)大腸菌内で発現させたRep蛋白質は部位特異的挿入能を有している事、等が示唆された。一方、大腸菌由来のGST(gluta-thione s-transferase)との融合蛋白質としてRep蛋白質(7.8kDa)を発現させるプラスミドを作成し、PreScission Protease系(Pharmacia)を用いてGSTおよびProteaseを含まないRep蛋白質(7.8kDa)の調製を試みたが、大量に分離・精製することが出来なかった。そこで、HPLCを用いて、Rep/MBPの精製条件を検討した。さらに、Rep/MBPとAAVベクターとを用いてHVJ-virosomesを作成し、293細胞へ導入したところ、2つのcloneでSouthern Blot陽性のnested-PCRバンドを検出し、現在このバンドの塩基配列を検討である。
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