1999 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス蛋白質の直接導入によるヒト遺伝子上の特定部位への目的遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
10672139
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
平井 幸彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (10089617)
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Keywords | アデノ随伴ウイルス / 部位特異的挿入 / 遺伝子導入 / 非ウイルスベクター |
Research Abstract |
HPLCを用いて、Rep/MBPの精製条件を検討した。hyrdophobic Interactionを用いるphenyl-SepharoseさらにAnion exchangerであるDEAE52-celluloseでは低分子量のバンド(30kDa)を分離できなかった。Superdex 200HRカラムを用いるGel filtrationでは、Rep/MBPが会合を生じるためか、NaCl(pH7.4)が約200mM以上でそのelution patternが相違した。NaCl濃度を03M,045M,0.6Mおよび1.0Mと変化させ、0.6M(pH7.4)が最適な濃度であるあること決定した。この条件下でGel filtrationを行い、SDS-PAGEで単一バンド示す精製Rep/MBP分画を得た。精製Rep/MBP画のhelicase活性を単鎖M13に"-40 primer"をアニーリング後、32P-dATP,dGTP,dTTP存在下でsequenaseにて伸展させた基質を作成し、測定したところ、濃度およびATP依存性の活性を示し、特異抗体によりその活性は阻害された。さらに、Rep/MBPとAAVベクターとを用いて中西らの方法に従ってHVJ-virosomesを作成し293細胞へ導入したところ、2つのcloneでSouthern Blot陽性のnested-PCRバンドを検出した。このバンドの塩基配列を検討したところ、1つはAAV Vector plasmidの3'-ITRが15bpの同定不明な配列を介してヒト19番染色体上のAAVS1領域に部位特異的に挿入されていた。これらの結果は現時点のRep蛋白質直接導入法による部位特異的な遺伝子挿入効率は低く、その導入条件をさらに検討する必要が、Rep機能を蛋白質として供給する方法は、Rep活性の細胞内での持続も短く、投与量の調節も容易であるため、細胞に障害を与えずに遺伝子を特異的に組込む方法として優れていることを示唆ものである。
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