1998 Fiscal Year Annual Research Report
南方モンゴロイドのグルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症の遺伝子解析
Project/Area Number |
10672140
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
廣野 晃 冲中記念成人病研究所, 研究員 (90181221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 史朗 冲中記念成人病研究所, 所長 (40034954)
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Keywords | G6PD異常症 / G6PD Viangchan / 溶血性貧血 |
Research Abstract |
本年度は、ラオス、インドネシア、ミャンマー、日本からの検体についてグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)異常症例の遺伝子解析を行った。 1. ラオスのマラリア流行地に住む678名を対象として、研究代表者の開発した方法で赤血球G6PD活性をスクリーニングし、46例(男22、女24)のG6PD異常症例を見出した。うち変異を確定しえた9例(男3、女6)は、すべて871G→Aを有しておりG6PD Viangchanと同定された。 全例、1311C→T,IVS11,93T→Cの各サイレント変異を有していた。 2. 溶血性貧血をきたしたインドネシア症例8例の検索では、G6PD Kaiping,Canton各1例、Chatham 2例の既知の変異の他、新規の変異1291G→A(431Val→Met)を見出した。G6PD Kaiping,Canton症例は中国人で、これらの変異は中国南部〜タイに頻度が高いことがすでに知られている。 3. プリマキンによる急性溶血性貧血の既往のあるミャンマー人1例では、東南アジアに頻度の高いG6PD Mahidolを同定した。 4. 溶血性貧血を示したわが国の5症例の検索により、G6PD Nashville,Mediterranean(母親はシリア人),Viangchan(同タイ人),Guadalajara,Tenriの各変異を見出した。G6PD Tenriは慢性溶血をきたす新規の変異であった(1096A→G,366Lys→Glu)。 1,4を含めこれまで研究代表者らが検索した東南アジア各地のG6PD Vlangchan症例は、いずれも1311C→T,IVS11,93T→Cのサイレント変異を有しており、共通の祖先に由来することが示唆された。
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Research Products
(1 results)