1999 Fiscal Year Annual Research Report
CYP2Cサブファミリーの遺伝子多型と薬物代謝の個人差に関する研究
Project/Area Number |
10672145
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
千葉 寛 千葉大学, 薬学部, 教授 (40159033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 隆廣 株式会社 SRL, 研究検査課, 研究員
小林 カオル 千葉大学, 薬学部, 助手 (30255864)
細川 正清 千葉大学, 薬学部, 講師 (70181500)
石崎 高志 熊本大学, 薬学部, 教授 (50158747)
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Keywords | CYP2C9 / 多型 / 個人差 |
Research Abstract |
CYP2C9は抗てんかん薬であるフェニトインや血糖降下薬であるトルブタミドなどの代謝に関わる酵素である。CYP2C9遺伝子には幾つかのバリアントの存在が知られているが、最近、359番目のIleがLeuに変化した変異型CYP2C9を持つ個体はフェニトイン、トルブタミドなどの薬物代謝能が著しく低下していることが明らかにされた。本研究では、野生型であるCYP2C9-Ile359と変異型であるCYP2C9Leu359の発現系を作成し、7種の基質に対する活性を比較した。その結果、検討を行った総ての基質について、CYP2C9Leu359の活性はCYP2C9-Ile359より低値を示したが、その程度はピロキシカムの5'位水酸化の1/30からジクロフェナクの4位水酸化の1/4まで様々であった。一方、CYP2C9Leu359におけるフェニトインの主代謝物であるp-hydroxyphenytoin(HPPH)の生成速度はR-体では約1/2に低下したのに対しS-体では約1/6に低下しており、Ile359からLeu359への変異により、立体選択制が変化することが明らかとなった。Ile359からLeu359への変異による活性低下の程度が基質により異なる理由は不明である。しかし、この変異遺伝子をヘテロ接合子として持つ個体は日本人では25人に一人の割合で存在することから、開発中の医薬品がCYP2C9で代謝されることが明らかになった場合、CYP2C9Leu359の発現系等を用いることにより、変異型ではどの程度活性が低下するかを非臨床の段階で検討することが必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takanashi K, Tainaka H, Kobayashi K, Yasumori T, Hosokawa M, Chiba K: "CYP2CIle359 and Leu359 variants: enzyme kinetics study seven substrates"Pharmacogenetics. 10. 95-104 (2000)