2000 Fiscal Year Annual Research Report
フルオウラシル系抗癌薬の適正使用の検討-尿中ピリミジン排泄量を指標とした投与法の確立-
Project/Area Number |
10672154
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
徳江 章彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (80049022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00245044)
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
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Keywords | 5-FU / 尿中ウラシル / 尿中ジヒドロウラシル / 薬物動態 / 適正使用 / ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
研究終了年となる本年は、臨床データの検討に加え動物によるメカニズムの検討も行った。10名の患者(8名胃癌、2名腎癌、44〜65歳、男女比、9:1)において、100mgの5-FU(ドライシロップ)を空腹時に単回経口投与し、血中濃度測定のための採血を行った(7ポイント)。5-FUの血中濃度をHPLCで測定し、得られたデーターをもとに最高血中濃度到達時間(tmax),最高血中濃度(Cmax)および血中濃度曲線下面積(AUC)等の薬物動態パラメーターを算出した。また同一患者に対し、尿中ウラシル、ジヒドロウラシル濃度(クレアチニン値で補正)を測定し、ジヒドロウラシル/ウラシル比(DHU/U)を求め、前述のCmax,AUCとの相関を検討した。5-FUの血中濃度のtmaxは5〜10分であり、CmaxおよびAUCは個人間のばらつきが大きく、各々、102.9〜1121ng/ml,1820〜11381ng/ml・minであった。また、尿中ウラシル、ジヒドロウラシル濃度およびDHU/Uは、各々、18.9〜63.7μmol/g・cre,5.0〜20.4μmol/cre,0.10〜0.418であった。5-FUのAUC,およびCmaxと尿中ウラシル、ジヒドロウラシル濃度およびDHU/Uとの間に有意な相関は認めなかった。さらに、胃癌患者6名で胃切除術が血中5-FU濃度に及ぼす影響を検討した。その結果、胃全摘例(2例)は胃切除により、5-FUの血中濃度は著明に上昇した。亜全摘例(4例)においては5-FU濃度の著明な上昇1例(この症例において5-FUによる治療経過中に有害反応と思われる食欲不振および体重減少が出現した)、不変2例、減少1例と一定の傾向は認めなかった。動物実験ではラットで胃全摘モデルを作成した。15mg/kgの5-FU経口投与は通常のラットでは体重減少等示さなかったが全摘ラットで体重減少ならびに貧血等の副作用が出た。
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Research Products
(1 results)