1998 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病細胞のG-CSF反応性検査法の開発
Project/Area Number |
10672171
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東田 修二 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80251510)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / G-CSF / シグナル伝達 |
Research Abstract |
私は急性骨髄性白血病患者から採取した白血病細胞をin vitroで培養し、培地へのG-CSF添加の有無による細胞増殖の差を調べることにより、白血病細胞のG-CSF反応性を検討した。同時に、G-CSF添加、未添加の細胞から蛋白を抽出し、細胞内のMAPキナーゼ、JAK、STATなとの蛋白のG-CSFによるリン酸化作用を調べた。両者の結果を総合して、G-CSFによって増殖刺激される細胞ではG-CSFによって上記の蛋白がリン酸化されることがわかった。言い替えれば、上記の蛋白のリン酸化を調べることによって、G-CSFに対する反応性を、培養法で調べるよりも速く推測できることになる。しかし検体によってはG-CSF未添加でも上記の蛋白がリン酸化されているものがある。これは生体内で細胞に結合した内因性のG-CSFによるのか、白血病細胞自身がG-CSFを産生するためであるのか、もしくはシグナル伝達系自体の異常に起因するのか現在検討を進めている。G-CSFの白血病細胞に対する作用のこれまでの研究結果を総説として発表した(血液・免疫・腫瘍1998)。 こうした研究活動の中で、既知の慢性骨髄性白血病や慢性骨髄単球性白血病とは病像の異なる慢性白血病症例に遭遇し、その白血病細胞のG-CSFなどの造血因子に対する反応性やシグナル伝達系蛋白の解析を行い、その細胞特性を報告した(Acta Haematologica 1998)。また、別の患者の白血病細胞を培養する過程で樹立した細胞株の、造血因子に対する反応性やシグナル伝達系蛋白の解析を行い、報告した(Leukemia Research 1999)。
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[Publications] Tohda S: "A case of atypical chronic myeloid leukemia regarded as MDS with myeloproliferative features." Acta Haematologica. 100・4(印刷中). (1998)
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[Publications] Tohda S: "Establishment of a double Philadelphia chromesome-pesitive acute lymphoblastic leukemia-derived cell line,TMD 5." Leukemia Research. 23・3. 255-261 (1999)
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[Publications] 東田 修二: "G-CSFの急性骨髄性白血病細胞に対する作用" 血液・免疫・腫瘍. 3・1. 41-45 (1998)