1999 Fiscal Year Annual Research Report
凝固・線溶系検査によるPTCA後の最狭窄予測に関する研究-組織因子希釈プロトロンビン時間による凝固亢進状態の検出を中心に-
Project/Area Number |
10672191
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神畠 宏 関西医科大学, 医学部, 助手 (60233946)
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Keywords | 経皮的冠動脈形成術 / 再狭窄 / プロトロンビン時間 / thrombin-antithrombin III / von Willebrand factor / 組織因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄を予測しうる分子マーカーを検索することであり、本年度は以下に示す成果を得た。 臨床的には、PTCAを行った患者について、そのデバイスの差により再狭窄の程度が異なることをvWFなどのマーカーで示唆した。実験的には動物モデルを用いるため、まずその血液凝固系について研究を進めた。ラットの系で自然発症高血圧ラットを用い、我々の開発した全血を用いる組織因子希釈プロトロンビン時間(WPT)がトロンビン産生および血圧と相関し、有用な分子マーカーであることを示した。同様にして実験モデルをマウスの系に応用し得るかを明らかにするため、凝固系を惹起するモデルを用いて検討を進めた。すなわち、病原大腸菌O-157のVT-1より毒性が強いと考えられている毒素VT-2を用い、エンドトキシンとの凝固・線溶系に対する相互作用について検討した。その結果、マウスの系では血小板数(ヒトとは異なるMPVなどの設定)とともにトロンビン産生マーカーのTATが測定でき、凝固系の変動を捉える事ができた。WPTについては、恐らくtissue factor pathway inhibitorの影響を反映することを認めた。腎臓における組織因子などの発現も強く認め上記の凝固系のマーカーと相関した。本研究成果はThromb Res投稿中である。
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