1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの新しい遺伝的素因の固定-慢性関節リウマチ発症および進行における可溶性FcγレセプターIIIの関与-
Project/Area Number |
10672192
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
桝田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 自己免疫性好中球減少症 / 動脈硬化症 / FcγRIIIB / FcγRIIA / 多型性 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)患者のFcγRIIIBのgenotypeをPCR法で同定したところ、NA(1+2-):55例(43.0%),(1+2+):62例(48.4%),(1-2+):11例(8.6%)と正常日本人の分布(NA(1+2-):23.9%,(1+2+):61.5%,(1-2+):14.7%)と比してNA1型の優勢を認めた。しかし、それぞれのタイプ間でのStageやリウマトイド因子等の測定値に有為な差は認められず、NAタイプがRA発症には関与するが、その病態の進行には影響しないものと考えられた。また、対照として検索したFcγRIIAでは、H/H^<131>:91例(71.7%),H/R^<131>:35例(27.6%),R/R^<131>:1例(0.8%)と正常日本人の分布(H/H^<131>:61.3%,H/R^<131>:36.8%,R/R^<131>:1.9%)と有為な差は認められなかった。 一方、自己免疫性好中球減少症では、FcγRIIIBのタイプは14例中11例がNA(1+2-),残り3例がNA(1+2+)であった。またFcγRIIAは、13例がH/H^<131>で、1例のみH/R^<131>であったことから、FcγRの発現型が好中球特異的自己抗体の生成に何らかの影響を与えている可能性が示された。 骨関節炎症では、NA(1+2-):7例(17.9%),(1+2+):26例(66.7%),(1-2+):6例(15.4%)とNA2型の優勢傾向が認められた。また、動脈硬化症では、H/H^<131>:342例(70.2%),H/R^<131>:137例(28.1%),R/R^<131>:8例(1.6%)と131-H型の優勢傾向が認められ、さらに、H/H^<131>型の患者の方がLp(a)値が高値の傾向を示した。
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