2000 Fiscal Year Annual Research Report
汎用的な病態検査データベースの構築と動的な検査診断支援方式の考察
Project/Area Number |
10672193
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
市原 清志 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144495)
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Keywords | 臨床疫学 / EBML / 診断支援 / 検査診断 / 対数尤度 / 動的診断 / 自動グラフ |
Research Abstract |
事実に基づく臨床検査診断学を実践するため、主要な疾患を取り上げ、一定の診断基準を満たす症例のデータベースを順次構築、それを利用した診断支援システムを開発した。対象症例は、原疾患に影響する複合病態を持たず、初回入院時点で未治療時の情報が得られるものに限定した。今年度は、昨年度までの36疾患1769症例に加えて、原発性胆汁性肝硬変症15例を新規登録し、肝細胞癌91例の全面更新を行うと共に、慢性骨髄性白血病を39→47例、多発性骨髄腫41→61例、急性膵炎34→61例、ネフローゼ症候群45→72例、甲状腺機能亢進症30→80例、甲状腺機能低下症16→23例、SLE38→59例、皮膚筋炎37→49例、シェーグレン症候群15→18例と主要な疾患について症例数を増加させた。これによりデータベースの規模は疾患数37、総症例数1951例となった。このデータベースを利用する多機能診療支援システムについては、今年度大きな変更を行わなかったが、新たにオンラインで参照できるヘルプ機能の追加を試みた(現在19疾患分を登録)。その内容はHTML形式で、各疾患の概要を、疫学、病因、臨床所見、検査所見、治療法と予後に分けて記述したが、疾患データベースから抽出した所見をグラフ化して表示できることを特徴としている。これにより、初学者でも、各疾患の検査診断上の要点を瞬時にしかも定量的に把握可能となる。この疾患概要一覧システムは、その記録書式から、イントラネットやインターネットを介した利用も可能である。本システムの今後の課題は、昨年度までに完成させた疾患類似度の計算機能を利用して、任意の照会例の臨床所見・検査所見の組み合わせから、その症例がどの疾患に最も近いかを自動的に判定可能とすることである。
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[Publications] 市原清志,伊藤和孝,石田博,為近美栄,黒田幸徳,濱野政弘,小郷正則,松田信義: "検査情報サービスのあり方"日本自動化学会誌. 26(2)(印刷中). (2001)