1998 Fiscal Year Annual Research Report

新しい腫瘍関連抗原TSP-1の遺伝子及び蛋白レベルでの発現解析

Research Project

Project/Area Number	10672194
Research Institution	Fukuoka University
Principal Investigator	黒木政秀福岡大学, 医学部, 教授 (40122692)
Keywords	腫瘍関連抗原 / 腫瘍マーカー / トロンボスポンジン-1 / TSP-1 / モノクローナル抗体 / 血管新生抑制因子 / 細胞接着因子
Research Abstract	Thrombospondin-1(TSP-1)はもともと血小板α顆粒より産生される分子量約450kDaの糖蛋白として報告されたが,現在では繊維芽細胞,血管内皮細胞など種々の細胞での産生が知られている.またその細胞接着作用や細胞増殖活性により癌の浸潤や転移との関連が指摘されるとともに,いくつかの癌腫瘍マーカーとしての意義も報告されている.最近TSP-1に対して数種のモノクローナル抗体が作製され組織免疫染色などに用いられているが,その特異性など不明な点も多い.そこで我々はまずTSP-1に対する新たなモノクローナル抗体の作製を試みた. ヒト血小板を洗浄後,カルシウムイオノフォア刺激で放出されたTSP-1をフィブリノーゲンおよびヘパリンのアフィニテイクロマトグラフィーで精製した.精製TSP-1 20μgでBALB/cマウス2匹に免疫を行った.5週後追加免疫を行い,その3日後マウスの脾臓を採取した.モノクローナル抗体作製キットを用いて免疫マウス脾細胞とマウス骨髄腫細胞SP2/0の細胞融合によりハイブリドーマを作製しクローニングした. 2回の細胞融合で1,600個のハイブリドーマが得られ,すべてのクローンの培養上清を検索した.ヤギ抗ヒトTSP-1抗体を96-ウェル・プレートに固相化し,精製したTSP-1を反応させてTSP-1固相プレートとした.TSP-1固相プレートにハイブリドーマの培養上清を反応させ,ビオチン化抗マウスIgGまたはIgM抗体でスクリーニングした結果,最終的にIgM抗体6種,IgG1抗体4種,およびIgG3抗体3種が得られた.これらの抗体とTSP-1との反応をウエスタン・ブロティングにて確認したところ.分子最約45万のTSP-1との反応が確認され,腫瘍マーカーとしてのTSP-1の解析に有用であることが証明された.引き続き,TSP-1の癌患者血清中のレベルをチェックするとともに,各種癌組織での発現レベルを免疫染色およびインサイチュ・ハイブリダイゼーションで検索中である.

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] Senba,T.,Kuroki,Ma.,Arakawa,F.,Yamamoto,T.: "Tumor growth suppression by a mouse/human chimeric anti-CEA antibody and lymphokine-activated killer cells in vitro and in SCID mouse xenograft model" Anticancer Research. 18・1. 17-24 (1998)
[Publications] Egawa,M.,Honda,Y.,Kuroki,Ma.and Ono,T.: "Immunohistochemical demonstratlon of carcinoembryonic antigen and related antigens in various cutaneous keratinous neoplasms and verruca vulgaris" British Journal of Dermatology. 139・2. 178-185 (1998)
[Publications] Egawa,M.,Honda,Y.,Ono,T.,Kitasato,H.& Kuroki,Ma.: "The glycoprotein of the carcinoembryonic antigen(CEA)fgamily expressed on epithelial keratinocytes in viral warts." Archives of Dermatological Research. 290・8. 453-457 (1998)
[Publications] 別府理智子,黒木政秀,仙波垂水,山本貴文,富田能弘,荒川文子: "ヒトトロンボスポンジン-1に対するモノクローナル抗体の作製" 日本癌学会総会記事. 56・1. 581 (1997)
[Publications] 別府理智子,荒川文子,山本貴文,田能弘,黒木求,黒木政秀: "Human thrombospondin-1に対するIgGモノクローナル抗体の作製" 日本癌学会総会記事. 57・1. 617 (1998)
[Publications] 黒木政秀,山本貴文,仙波垂水: "瘍関連抗原CEAの新しい利用法" Progress in Medicine. 18・5. 1063-1068 (1998)
[Publications] 黒木政秀,荒川文子,仙波垂水,山本貴文,富田能弘,別府理智子: "腫瘍マーカー研究会誌第12巻(石井勝,編)" 腫瘍マーカー研究会(東京), 268 (1998)
[Publications] 黒木政秀,山本貴文,許中偉,仙波垂水,富田能弘,別府理智子: "腫瘍マーカー研究会誌第13巻(石井勝,編)" 腫瘍マーカー研究会(東京, 197 (1998)

1998 Fiscal Year Annual Research Report

新しい腫瘍関連抗原TSP-1の遺伝子及び蛋白レベルでの発現解析

Principal Investigator

黒木 政秀 福岡大学, 医学部, 教授 (40122692)

Research Products

[Publications] Senba,T.,Kuroki,Ma.,Arakawa,F.,Yamamoto,T.: "Tumor growth suppression by a mouse/human chimeric anti-CEA antibody and lymphokine-activated killer cells in vitro and in SCID mouse xenograft model" Anticancer Research. 18・1. 17-24 (1998)

[Publications] Egawa,M.,Honda,Y.,Kuroki,Ma.and Ono,T.: "Immunohistochemical demonstratlon of carcinoembryonic antigen and related antigens in various cutaneous keratinous neoplasms and verruca vulgaris" British Journal of Dermatology. 139・2. 178-185 (1998)

[Publications] Egawa,M.,Honda,Y.,Ono,T.,Kitasato,H.& Kuroki,Ma.: "The glycoprotein of the carcinoembryonic antigen(CEA)fgamily expressed on epithelial keratinocytes in viral warts." Archives of Dermatological Research. 290・8. 453-457 (1998)

[Publications] 別府理智子,黒木政秀,仙波垂水,山本貴文,富田能弘,荒川文子: "ヒトトロンボスポンジン-1に対するモノクローナル抗体の作製" 日本癌学会総会記事. 56・1. 581 (1997)

[Publications] 別府理智子,荒川文子,山本貴文,田能弘,黒木求,黒木政秀: "Human thrombospondin-1に対するIgGモノクローナル抗体の作製" 日本癌学会総会記事. 57・1. 617 (1998)

[Publications] 黒木政秀,山本貴文,仙波垂水: "瘍関連抗原CEAの新しい利用法" Progress in Medicine. 18・5. 1063-1068 (1998)

[Publications] 黒木政秀,荒川文子,仙波垂水,山本貴文,富田能弘,別府理智子: "腫瘍マーカー研究会誌第12巻(石井勝,編)" 腫瘍マーカー研究会(東京), 268 (1998)

[Publications] 黒木政秀,山本貴文,許中偉,仙波垂水,富田能弘,別府理智子: "腫瘍マーカー研究会誌第13巻(石井勝,編)" 腫瘍マーカー研究会(東京, 197 (1998)

黒木政秀福岡大学, 医学部, 教授 (40122692)