1999 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養高齢者家族の肯定的介護意識と介護破綻予防に関する研究
Project/Area Number |
10672196
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
佐々木 明子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (20167430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 絹子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50100607)
浅川 典子 埼玉県立大学, 短期大学部・看護学科, 講師 (00310251)
山田 晧子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00261678)
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Keywords | 在宅療養高齢者家族 / 在宅療養高齢者 / 肯定的介護意識 / 介護破綻予防 / 介護対処行動 / 肯定的介護体験 / 介護負担感 / 介護継続意識 |
Research Abstract |
1.目的 介護者を支援するには介護の否定的側面とともに、介護が介護者や家族に及ぼす肯定的側面も含めて両者を総合的に捉えることが必要である。本研究では入浴サービスを利用している在宅療養高齢者の介護者の肯定的介護体験と高齢者や介護者・家族の状況との関連を明らかにした。 2.対象と方法 埼玉県A市の入浴サ-ビスを利用中の65歳以上の在宅療養高齢者の介護者で、調査に協力が得られた112名に、看護職者が質問紙による訪問面接調査を実施し、102名から回答を得た。調査期間は平成11年10月〜12月である。調査内容は、高齢者と介護者の基本属性、生活状況、肯定的介護体験、Nolanらの介護満足度(CASI)、荒井らの日本版The burden interviewによる介護負担感、和気らの介護対処行動などである。 3.結果 肯定的介護体験13項目の総合得点の平均は、26.7±5.3であり、13項目の内的整合性を示すCronbachのα係数は0.78であった。肯定的介護体験とCASIとの相関係数は0.765で正の相関がみられた(P<0.01) 肯定的介護体験と高齢者の状況との関連では、性、年齢、障害高齢者や痴呆性高齢者の日常生活自立度との有意な関連はみられなかった。介護者・家族の状況との関連では、性、年齢、代替者の有無と肯定的介護体験は有意な関連はみられなかった。介護期間と肯定的介護体験との有意な関連はみられなかったが、1日の総介護時間とは、正の相関がみられた(P<0.05)。介護負担感、継続意志と肯定的体験とは有意な関連はみられなかった。高齢者と介護者の人間関係では、介護前の人間関係がよい場合(P<0.05)や、現在の人間関係がよい場合に(P<0.01)、肯定的介護体験が有意に高かった。 介護対処行動では、「問題解決型」「接近・認知型」、「回避・情動型」と肯定的介護体験に正の相関がみられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山田 晧子: "在宅療養高齢者家族のデイサービス利用の効果-利用地区別比較-"日本在宅ケア学会誌. 2-2. 108-109 (1999)
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[Publications] 高橋 和子: "在宅療養高齢者介護者の介護技術評価と関連要因について"日本地域看護学会第2回学術集会講演集. 119 (1999)
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[Publications] 佐々木 明子: "在宅療養高齢者家族の肯定的介護体験の関連要因-本人・介護者の状況と家族介護対処行動の分析-"日本公衛誌. 46-10. (1999)
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[Publications] 山田 晧子: "訪問看護を受けている在宅療養高齢者家族の介護の肯定要因の検討"中華護理學会90周年記念、第六回日中看護学会論文集録. 12-14 (1999)
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[Publications] 山田 晧子: "在宅療養高齢者家族の介護に関する肯定要因の検討"第18回日本看護科学学会学術集会講演集. 242-243 (1999)
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[Publications] 佐々木 明子: "在宅療養高齢者の家族の肯定的介護体験と関連要因-高齢者、介護者・家族と社会資源活用状況の分析-"第18回日本看護科学学会学術集会講演集. 250-251 (1999)