2000 Fiscal Year Annual Research Report
老人福祉施設で閉じこもり状態で過ごす高齢者の生きがいに関する研究
Project/Area Number |
10672209
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
多田 敏子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30127857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑村 由美 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助手 (90284322)
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Keywords | 閉じこもり状態 / 生きがい / 生きがい感 / 高齢者ケア / 高齢者 |
Research Abstract |
平成12年度は、11年度に引き続き高齢者を対象に面接を行い、我々のかかわった高齢者の変化を観察し、閉じこもり状態の高齢者が何を生きる支えとし、自らの生活の意義をどのように見い出しているかの分析をおこなった。それらの成果について2つの学会で発表し、投稿中の論文一編と報告書にまとめた。 今年度の高齢者との面接によって以下のことが明らかになった。 1.対象とした高齢者は、外出したとしても、一人で行動する傾向にあった。 2.高齢者の視力や聴力の低下は、他者とのコミュニケーションを困難にしていた。身体的な機能低下により、人とかかわることが不安になるため、閉じこもってしまう状況が見られた。 3.生きがいの対象を、明確に話す者は少なかったが、数回の面接により、それぞれに自分の世界や心の拠り所をもっていることが明らかになった。 4.自分の身の回りのことなどの日常生活が維持できることや、施設の掃除やかたずけ、手芸の作品を人にあげる等、ささいなこととと考えられる様な活動ができることも、高齢者にとって喜びにつながっていることが明らかになった。 5.しかし、閉じこもり状態にある対象者では、そのような活動をする者は少なく、時間をかけて聞かなければ、それらが楽しみであることを自ら他者に語ることはないと考えられた。 6.従って、閉じこもり状態の高齢者にも生きがいはあり、それらを表現する機会を作ることの重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 松下恭子,多田敏子,橋本文子,吉永純子,桑村由美: "福祉施設で生活する後期高齢者の生きがいについて"四国老人福祉学会誌. 20(印刷中). (2001)