1998 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性老人に対する家族の初期対応と初期サポートニーズの実態
Project/Area Number |
10672215
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
平野 憲子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50295367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (60295368)
加藤 欣子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師
佐伯 和子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (20264541)
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Keywords | 痴呆性老人 / 発症初期 / 配偶者 / 夫婦関係 / 疾病認識 / 在宅ケアサービス |
Research Abstract |
1. 研究方法:テーマに関した先行文献の検討を行い、あわせて研究手法であるグランデッドセオリーについて、講師を招へいしその活用の実際について指導を受け研究方法を検討した。 2. データー収集:(1)事例の対象条件については、年齢は本人、家族共に「70才前半まで」、被面接者の続柄は「配偶者」に限定し、「医療機関の診断を得ている」「受診から3〜5年以内」を主な要件とした。(2)対象の把握方法:事例の紹介は札幌近郊の市町村および札幌市の保健婦に依頼し協力を得た。(3)インフォームドコンセント:対象者に対しては保健婦による説明で承諾を得た後、直接研究メンバーから研究趣旨を説明し承諾を得、更に面接時に説明をし承諾を得た。(4)データ収集方法と内容:対象者からインタビューのテープ録音について了解を得られた内容はテープおこしをし、その記録をデーターとした。録音の了解を得られなかった内容はその場で記述し、面接終了後記述を整理したものをデーターとした。主なインタビュー内容は、気づきから現在までの症状の変化と対応、介護、医療機関受診、サービス利用等の経過および配偶者としての思いや認識を聴いた。 3. 第一段階の分析,対象者の概要:インタビューの実施は16件、うち5件が対象条件を満たさなかったため除外し、11件を研究対象とした。配偶者は全て主介護者であり妻が8人、夫が3人であった。殆どが専門医療機関で痴呆疾患の診断を受けていたが受診時期は多様であった。痴呆性疾患のタイプはアルツハイマー型が5人、脳血管型が5人、タイプ不明が1名であった。またサービスは比較的早期に活用されていた。配偶者はいずれも初期の混乱期を経過し、現在は比較的穏やかな状態にある配偶者が多かった。 4. 今後の分析の方向性:配偶者の立場から初期における疾病認識と対応、配偶者のサポートと認識、サービス利用ニーズとサービスが支える生活認識等についてデーターを詳細に分析する。
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