1998 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養における居住空間の形成に関する基礎的研究-QOL向上に関与する環境要因
Project/Area Number |
10672219
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
宮島 朝子 兵庫県立看護大学, 助教授 (60115946)
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Keywords | 在宅療養 / 居住環境 / 過ごし方 / 外部交流 / QOL / 環境要因 |
Research Abstract |
平成10年度は、兵庫県の都市部または農村部に在住する65歳以上の在宅療養者で、家族と同居して一戸建ての住居に住んでいる男女57名を対象に、質問紙を用いた面接調査を行った。対象者の平均年齢は77.7±8.03歳で、生活自立度はA1=17名、A2=13名、B1=18名、B2=7名、その他=2名であった。 質問紙の構成は、「住居内での過ごし方」、「外部との交流」および「療養生活のニーズ」とした。調査は現在分析を進めている最中のため詳細な報告はできないが、都市部については住居内での過ごし方と療養生活へのニーズを中心に、農村部については外部との交流を中心に概略を整理した。 □ 都市部の結果の概略:住宅改修をした人は25名中24名で、手すりの設置が23名、トイレまたは浴室改修が各々8名などであった。現在の住居や間取りに対する満足感を聞いたところ、どの項目でも半数近くが満足していると回答していた。また、イラストカードを用いて望ましい住環境を尋ねたところ、望ましいという回答が50%を越えたものは洋式寝室、システムバス、段差のない玄関であった。 □ 農村部の結果の概略:対象者の外出頻度はきわめて少なく、その理由は外出目的がないこと、外出のための交通手段がないこと、住居内構造や周辺環境による移動の困難さなどとなっていた。また、現在デイサービスを利用しているのは32名中19名であるが、今後もデイサービスに望むことはないとする者が半数以上の10名で、在宅療養者が外部交流に対してあまり興味を抱いていないことが推察された。 今後はさらに分析を進め、在宅療養者の実態を詳細に把握すると共に、平成11年度以降の研究に向けて、方向性を明確にしていく予定である。
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