1998 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠・分娩に伴う二次性骨粗鬆症の病態並びに予防(生活行動変容)に関する看護的研究
Project/Area Number |
10672246
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮城 万里子 琉球大学, 医学部, 講師 (00219742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 伸造 琉球大学, 医学部, 教授 (40041347)
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 講師 (40295308)
伊敷 和枝 琉球大学, 医学部, 教授 (80045228)
小渡 清江 琉球大学, 医学部, 助手 (20295314)
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Keywords | 妊・産・褥・婦 / 骨密度 / 代謝 / 食習慣 |
Research Abstract |
ここ数年、性腺機能の低下、特に閉経と骨Ca代謝の関係、痩せ並びに肥満体型骨代謝との関係が明らかになっている。また、授乳期の若年女性にも骨密度の低い者がかなりいることも、妊娠・分娩・授乳期のホルモン動態の解明とともに報告されている。今回、妊娠期から授乳期の骨量を縦断的に測定し、生活の中で二次性骨粗鬆症の発症に関連する危険因子の寄与度を明らかにし、各人について骨量の予想の経過回帰線を作成し、保健指導に応用することを目的に調査を進めているところである。 平成11年2月現在、調査に協力の得られた妊婦の横断的な骨密度の変化を見ると、妊娠中の骨密度は有意な低下はなかったが、妊娠中期から末期にかけ骨量は減少していた。妊娠初期においてすでに骨量の低い者約5〜6%には追跡調査を実施、又は依頼しているところである。 産褥期の横断調査では、産後1週間の骨密度が最も低く、産後経過すると共に対象者の骨密度は増加傾向が見られた。又、1年半には日本人の同年齢者との比較において100%を越える結果が得られた。骨密度への影響要因として考えられる産後の授乳では、母乳栄養群が低い傾向が見られ、産後1年以降に断乳した者は回復していなかった。産後の無月経期間では、6ヶ月以上無月経の者は6ケ月以内の者よりかなり低かった。 一方、平成9年度の産後1週時点から協力が得られ、特にカルシウムと植物性のエストロゲンといわれる大豆食品の摂取も積極的に指導し、縦断調査を実施できている9症例について知り得たところでみると、産後1年半で同年齢平均を上回っている者は4症例であったが、授乳期間は12ケ月以上、産後の月経再開時期は1例が6ヶ月、他の3症例は10ヶ月から12ヶ月だった。これらの経過をふまえ、更に症例を重ね、指導群にはさらに定期的な食事摂取指導と大豆蛋白摂取指導を行い、骨の健康管理状態を他の生活要因と検討する。
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