2000 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠・分娩に伴う二次性骨粗鬆症の病態並びに予防(生活行動変容)に関する看護的研究
Project/Area Number |
10672246
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Research Institution | University of the Ryukyu |
Principal Investigator |
宮城 万里子 琉球大学, 医学部, 助教授 (00219742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀間 繼子 琉球大学, 医学部, 助手 (80315473)
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 講師 (40295308)
河野 伸造 琉球大学, 医学部, 教授 (40041347)
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Keywords | 妊婦・褥婦 / 骨密度 / 代謝 / 食習慣 / 生活行動 / 健康教育 |
Research Abstract |
妊娠末期・授乳期の骨量を横断的・縦断的に測定し,食生活習慣・食行動から骨粗髭症の発症に関連する危険因子を明らかにし,各人について骨密度変化に対する健康行動,保健指導に応用することを目的に横断的調査から影響要因を考察するとともに縦断調査を行い妊娠末期から産後2-3年における生活状況を骨の健康との関連から検討した. 1.対象者620名(初妊婦140名,経妊婦480名)のStiffness(Stiff)は平均87.2±11.2,同年齢日本人女性との比較MATCH(MAT)は98.2±12.7%で骨粗鬆症診断基準の要精検であるStiff70以下の骨量低値者は35名(5.6%);初妊婦には7.1%も存在し,先行研究より低い出現率ではあるが今後の骨粗鬆症発症が危惧される. 2.妊娠期の骨密度は妊娠末期が最も高く,産後期では産後1年目に骨密度は一時的な低値を示したが経過とともに有意に高い傾向を示し,MATは産後1年半で100%を超え回復傾向を示した.骨密度と食生活との関連では産前産後ともに食事の摂取回数,牛乳摂取頻度との相関はみられたがカルシウム摂取量は相関はみられなかった.食品群の摂取頻度との関連は,小魚を毎日摂取している群はどの時期でも有意に骨密度は高かった.妊娠期は牛乳・乳製品の摂取が多いほど,産後は海藻を週3回以上摂取する群が,またMATは牛乳・乳製品の摂取頻度が多い群ほど高い値を示した. 3.縦断調査の骨量低値者7例の骨密度は妊娠末期stiff平均値77.5±3.87、MAT87.2±7.63%から2年〜3年半の経過で105.5%変化し,正常範囲にある群より増加率は大きかった.食行動では牛乳以外のカルシウム含有食品の毎日摂取は96.1%に増加しビタミンDやマグネシウム含有食品の摂取も徐々に増加した.また健康に対する認識がある群は骨密度は高い傾向があり経過ごとの増加率も摂取頻度に比例し高かった. 今調査では継続症例の中断があり調査数が少ないことから傾向を見るに留まり,今後協力者を増やし更に具体的な生活援助方法まで検討する必要はある.今回の結果から従来の方向と同様に(1)牛乳は骨密度に直接反映する事から可能な限り(400ml以上)の摂取は必要であり(2)骨の健康を意識させるための定期的な測定と食事の確認を行う機会を設定することが必要である.
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