2000 Fiscal Year Annual Research Report
ターミナル期における小児看護の実際と実践的プロトコールの作成に関する研究
Project/Area Number |
10672255
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戈木クレイグヒル 滋子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助教授 (10161845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 美智代 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (00269515)
渡会 丹和子 群馬パース看護短期大学, 教授 (10220948)
児玉 千代子 東海大学, 健康科学部, 助教授 (90276874)
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Keywords | ターミナルケア / 小児看護 / 看護婦(士) / 家族 / よい看取り / ナース役割 / 死のうけ入れ |
Research Abstract |
この研究の目的は,小児がん領域での看護の経験が豊富なナースと子どもを看取った(ターミナルケアを体験した)母親の聞き取りから,ターミナルケアにおいてナースたちがどのような役割を担っているのか,家族側はなにをナースに期待しているのかを検討することだった.これまでに53名のナースを対象にターミナル期に入った小児がんの子どもの家族に対してどのような働きかけをしているのかを聞き取って分析した.ナースたちは,子どものターミナル期を通じて家族の不安や迷いによるゆれにつきあいつつ,家族が近い将来に子どもの死が訪れるという心の準備や覚悟ができるように,またよりよい治療の選択ができるように促し続け,最期の場では必要な人物をタイミング良くそろえ,家族と子どもとの距離を近くして,穏やかな死がむかえられるという「よい看取り」の状況をつくろうとしていた,さらに,ナースたちは自分の仕事を「よい看取り」ができたかどうかによって評価し,その結果によって自分の「よい看取り」イメージを修正していた.これらを総合すると,ナースたちがターミナル期を通して受け持つ役割は「よい看取り」の演出といえるだろう.この研究の成果はすでに2論文にまとめて報告したが,今後,12名の母親が体験したターミナルケアのデータから家族側がナースに期待するターミナルケアがなんであるのかを知り,ナースのデータとの比較検討をおこなう予定である.
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Research Products
(2 results)