2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672257
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
渡辺 由加利 天使大学, 看護学科, 講師 (10310088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正岡 経子 天使大学, 看護学科, 助手 (30326615)
井上 由紀子 天使大学, 看護学科, 助手 (00320557)
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Keywords | 夫婦 / 妊娠体験 / 出産 / 質的研究 |
Research Abstract |
本年度は夫婦4組のインタビューで得られたデータの分析を行った。データは妊娠前期(12週前後)・後期(35週前後)・出産後(産後2-3日)に収集したが、今年度は妊娠後期(35週前後)の夫婦に焦点をあて分析を行った。その結果(1)「身体の辛さとブルーな気持ち」、(2)「胎児のリアルな実感」、(3)「未知の体験への気がかりと安心サインを求める気持ち」、(4)「3人の生活を描く楽しみ・幸せ」、(5)「自己の体験を夫と共有したい妻の気持ち」、(6)「夫の妻への気遣い」、(7)「出産の関心と乗り越えられるという確信」(8)「周囲の言動にゆれる気持ち」の8つのカテゴリーが抽出された。 以上の結果より、妻は(1)妊娠に伴う辛さ、(2)胎動、(3)児のことや出産・育児に対する不安、(4)これからの生活について夫に語り,夫と共有したいという気持ちを強く持っている。その気持ちに対して、夫は(6)妻を気づかうという直接的な働きかけをし、一方胎動や性別がわかることをきっかけに妻の胎内にいる児に対して、(2)関心を寄せる、(3)心配する、(4)自分と子どもとの生活をイメージしている。妻の(5)共有したいという気持ちは、夫が妻へ直接的に働きかけることと、夫が子どもに対し関心を寄せることによって満たされていくと考えた。 妊娠末期は妊婦にとって心身ともに辛い時期と言われている。看護者は夫の役割として実際的なサポート(重い物を持つ、立ち会い分娩、育児の具体的な支援)を中心に考えがちである。しかし今回の研究により体験を共有すること(話しを聞いてくれる、夫なりに子どもや育児・出産のことを考えてくれる、出産のときはそばにいてくれるだけでいい)が妻の満足感につながり、分娩や生まれてくる子どもやその後の育児を安定した気持ちで迎えることにつながると考えた。 本研究の結果は、平成13年12月2日開催の第21回日本看護科学学会学術集会で発表した。
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