1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 正勝 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (20106959)
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Keywords | レーダー / 原子力 / 第二次世界大戦 / 旧日本陸海軍 |
Research Abstract |
(1) 旧日本海軍技術研究所電気部関係の資料については、それらを所蔵する史料調査会から研究の進捗状況などを記した『統進資料』及び所内の研究報告書『研究資料』を入手した。これらの資料のほぼ三分の二のマイクロフィルム複写を完了し、内容の分類をほぼ終えた。 (2) 『統進資料』の内、海軍が核開発のために組織した「物理懇談会」に関するものの分析を行い、研究論文(「物理懇談会と旧日本海軍における核および強カマグネトロン開発」『科学史研究』Vol.37)を公表した。同論文では、核開発の中断の具体的理由を明らかにすると同時に、同懇談会が提言したとされる「強力電波兵器」計画(いわゆる殺人光線計画)が、懇談会とは独立に当初から海軍側の計画にあったことを明らかにした。また、これらの計画がミッドウェー海戦の敗北を契機に強化されたことを立証した。さらにバンデグラーフ高電圧発生器を人体に向けたX線兵器として使用するという計画が、同懇談会で検討されていた事実を示した。 (3) 海軍が京都大学の荒勝文策に依頼したF研究関係の資料を、清水栄京都大学名誉教授から入手し、検討を始めた。また、理化学研究所の仁科芳雄が陸軍の東京第二造兵廠に対して行った報告書(1943年7月から1944年11月)を入手し、その分析を行った。この資料については、資料紹介を行った(『東京工業大学技術文化論叢』No.2)
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