1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のSuccessful Agingに関連する総合的健康評価尺度の開発
Project/Area Number |
10680012
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
金 憲経 財団法人 東京都老人総合研究所, 疫学, 研究員 (20282345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆雄 財団法人 東京都老人総合研究所, 疫学, 部長 (30154545)
吉田 英世 財団法人 東京都老人総合研究所, 疫学, 研究員 (00242735)
田中 喜代次 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50163514)
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Keywords | 生活の質 / Successful Aging / 骨密度 / 年齢尺度 / 活動体力 / 高齢者 |
Research Abstract |
医療技術の発展により寿命の延長という量的拡大の目標は達成できても、それに比例してQOLが改善しているかは明らかでない。つまり、量的・質的の両面の充実が望まれる。このような社会情勢では活力を高く保ったまま老いる、老いても自立できるという「Successful Aging」が最も重要である。このような背景に基づいて行なった本研究の成果をまとめると次のようになる。 1.高齢女性の骨密度の特徴:脊椎骨密度の低下率が最大であることから、脊椎骨密度の維持に効果的な運動プログラムの提供は、高齢期以前から必要であろう。また、高齢前期から高齢後期にかけて下肢骨密度が顕著に低下することから、高齢期において下肢骨密度を高く維持するためには活発な身体活動を中心とする生活習慣の形成が大切であることが推察された。 2.高齢者の身体組成の評価:健常高齢者の身体組成を評価する多数周波数インピーダンス法の有用性について検討し、次の式を作成した。 LTM=0.401(Ht×Ht)/R_<LOW>-4.897Sex+0.164Wt+17.586(R=0.964,SEE=2.05kg) BMC=0.036Wt+0.021Ht-0.142Sex-2.982(R=0.887,SEE=0.28kg) Wt=体重(kg),Ht=身長t(cm),R_<LOW>=低周波での抵抗値 3.活動体力水準と生活満足度・生活習慣との関連:体力水準が高いヒトは、自分の生き方に満足し、健康に自信を持ち、まだ元気であると認識しているとともに、9割が運動を実践している。運動は、ゲートボール中心の運動を同好者と時間をかけて実践している。それに対して、体力水準が低いヒトは、6割が自分の健康に不安を感じ、4割が経済的な状況に不安を持っている。約5割が運動を実践していない。運動は一人での散歩や歩行中心の運動を短時間実践する傾向が観察された。 4.高齢者の健康度を評価する年齢尺度:身体機能を推定する項目に基づく年齢尺度は次のようになる。 AFA=-4.92AFS+72.98,AFS=-0.035X_1+0.049X_2+0.032X_3-0.132X_4+0.049X_5-1.84 AFA=活動体力年齢,AFS=活動体力得点 X_1=8の字歩行,X_2=ペグ移動,X_3=ファンクショナルリーチ,X_4=起立動作時間,X_5=握力
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[Publications] 金憲経、田中喜代次、重松良祐: "後期高齢女性の日常生活に関わる活動体力の日韓比較"教育医学. 44・2. 460-468 (1998)
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[Publications] 金憲経、田中喜代次: "日韓高齢女性の活動体力水準を評価する年齢尺度の提案"民族衛生. 65・1. 24-35 (1999)
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[Publications] 金憲経、田中喜代次 他2人: "骨密度の加齢に伴う変化および身体組成との関連-成人女性について-"体力科学. 48・1. 81-90 (1999)
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[Publications] 金憲経 外3人: "高齢者の身体組成を評価する多周波数インピーダンス法"筑波大学体育科学系紀要. 22. 55-62 (1999)
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[Publications] 鈴木隆雄、金憲経 他7人: "地域高齢者の転倒発生に関する身体的要因の分析的研究-5年間の追跡研究から-"日本老年医学会雑誌. 36・7. 472-478 (1999)
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[Publications] 金憲経、田中喜代次 他2人: "身体組成の加齢に伴う推移-DXA法による検討-"体育学研究. 44・6. 500-509 (1999)