1999 Fiscal Year Annual Research Report
運動が加齢に伴う筋ミトコンドリアDNAの突然変異の蓄積を抑制できるか
Project/Area Number |
10680015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 譜也 筑波大学, 体育科学系, 講師 (70242021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮ざき りか 筑波大学, 体育科学系, 助手 (20292542)
林 純一 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60142113)
勝田 茂 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70038446)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 欠失 / 急性運動 / 持久的トレーニング |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNAは(mtDNA)には多くの点変異や欠失が存在し,様々な病気や身体症状の原因となっている.特にcommon deletionと呼ばれる長さ4.977bpの欠失(mtDNA^<4977>)は加齢にともない増加することがしられている.我々はすでに,2ヶ月間の持久的トレ-ニングによって若年者においてもmtDNA^<4977>が検出されることを報告した(ACSM,1999).しかし,急性運動がヒト骨格筋のmtDNAの欠失に及ぼす影響については明らかになっていない.本研究では,若年者の骨格筋において,急性運動および長期間の運動がmtDNA^<4977>に及ぼす影響を比較することを目的とした.【方法】被験者は成人男性6名であった.被験者は,急性運動および持久的トレ-ニングの2つの運動プログラムに参加した.急性運動は漸増負荷する自転車運動を疲労困憊まで行い,持久的トレ-ニングは運動負荷70%VO2maxの自転車運動を1日1時間,週3.5日,8週間行った.被験筋は外側広筋とし,筋生検は運動前,急性運動1日後,持久的トレ-ニングプログラム終了後の3回行われた.筋から全DNAを抽出し,1段階のPCR法によってmtDNA^<4977>を検出,評価した.【結果および考察】運動前,いずれのサンプルにおいても欠失は検出されなかった.持久的トレ-ニング後は全ての筋サンプルに欠失がみられた.急性運動後は,5つのサンプルから欠失が検出されたが,その程度は持久的トレ-ニング群よりも小さかった.これらの結果は定量することによって再検討する必要があると思われる.
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