ランニング速度と酸素摂取量からみたトレーニング強度の設定 〜Deflection Velocity(VD)と Velocity at V_<o2max>(vV_<o2max>)〜

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10680018
• Research Institution: University of Toyama
• Principal Investigator: 山地 啓司 富山大学, 教育学部, 教授 (50012571)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 橋爪 和夫 富山大学, 教育学部, 助教授 (80189472) ; 井口 文雄 財団法人 富山県総合体育センター, 研究員
• Keywords: V^^・o_2max / vV^^・o_2max / HRmax / vVT / 個人内変動

Research Abstract

本研究は、大学陸上競技中・長距離選手10名(ただし、一人はけがのため統計処理の段階で削除した)を対象に、トレッドミル走(傾斜角度零度)における最大及び最大下作業における酸素摂取量(V^^・o_2)、心拍数(HR)、血中乳酸(BLA)、作業持続時間等を毎週一回(同一の曜日とほぼ同時間帯)測定することによって、最大酸素摂取量(V^^・o_2max)、最高心拍数(HRmax)、乳酸作業閾値におけるランニング速度(vVT)、268m/分のランニング速度におけるV^^・o_2(ランニングの経済性)及びV^^・o_2maxが出現した時のランニング速度(vV^^・o_2max)における持続時間(tLIM)等の相互関係と個人内変動(coefficient of variation;CV)を明らかにした。その結果、個人のCVは、V^^・o_2max(ml/kg・min)4.0-7.6%、HRmax(beats/min)1.0-3.3%、vVT(m/min〉2.2-5.6%、vV^^・o_2max(ml/kg・min)1.5-3.5%、ランニングの経済性(ml/kg・min)3.6-7.1%、tLIM(sec)9.5-32.7%となった。すなわち、作業成績を示すtLIMの個人内変動は他の生理学的因子のそれに比べて大きい。さらに、生理学的因子の変動によってtLIMの個人内変動を説明することはできなかった。そこで、村上ら(1999)が開発した「主要5因子性格検査システム」を用いて、基本的な性格、すなわち、外向性、協調性、勤勉性、情緒安定性、知性の5項目について性格分析を行ったところ、tLIMの個人内変動と情緒安定性との間に反比例(r=0.775)の関係が、すなわち、情緒安定性の高い者ほどtLIMの個人内変動が小さいことが明らかとなった。
結論として、作業成績(tLIM)の変動は生理学的要因よりもむしろ、性格的な要因によることが明らかとなった。