1998 Fiscal Year Annual Research Report
「関わり意識」を強調した教科体育の効果的学習指導に関する研究 -「体育に関する知識(体育理論)」と「人権問題」を中心に
Project/Area Number |
10680025
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
澤田 和明 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20053332)
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Keywords | 教科体育 / 学習指導 / 関わり意識 / 体育に関する知識 / 人権 / 評価と評定 / かくれたカリキュラム |
Research Abstract |
本年度は、先行研究の整理と用語の整理を進めながら、研究の枠組みの設定と研究方向の確認をし、それに基づいて、いくつかの予備的作業を行った。 先行研究調査では、これまでの体育社会学学、教育社会学、教育学関連の文献とデータベース、インターネットなどを中心に情報を集め整理を行った。 また、用語の概念規定をしながら、教科体育の抱えている現状と問題点を、特に研究テーマである「体育に関する知識(体育理論)」、「体育学習における人権問題」という観点から整理を行った。それらの観点からの先行研究としては、その実態に関する調査報告をしたものがわずかに見られるだけで、効果的学習指導との具体的な関わり関する研究は見いだせなかった。 人権問題に関しては、これまで数年にわたる講義時で収集した「体育でのいい思い出、嫌な思い出」の記述データの中から、特に人権に関わると思われるデータを抽出し、KJ法によるデータ整理を始めている。また、それらの整理を通して、項目を整理し、また体育に関する知識の項目も含めて、予備調査として講義時に学習者側の調査を行った。その結果、人権意識が幾分欠落した教科体育の現状が明らかになり、また、知識や人権意識の学習の必要性を肯定する意見が見られた。それらの結果を踏まえ、指導者側の調査票を作成し、滋買県内及び全国的研究会の会員を対象に発送し、現在回収整理中である。 また、人権に関わる実験的な授業を、教科専門体育の数回の講義で、ボール運動を中心に行ってきた。また、附属小学校、中学校、養護学校から、体育と人権との関わりについての具体的な記述式のデータを収集した。これらを通して、人権との関わりを意識した模擬授業のあり方を検討し、次年度各校で部分的に実施できるよう計画中である。
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