1999 Fiscal Year Annual Research Report
継続的な運動がストレス時の脳内神経活動に及ぼす影響
Project/Area Number |
10680033
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
丹 信介 山口大学, 教育学部, 助教授 (00179920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西保 岳 筑波大学, 体育科学系, 講師 (90237751)
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 講師 (50271078)
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Keywords | 自発走運動 / ストレス / 血圧 / 心拍数 / c-fos / 脳 / ラット |
Research Abstract |
本研究では、継続的な自発走運動が、運動とは異なるストレスを負荷した時の循環反応ならびに脳内神経活動に及ぼす影響について検討した。また、継続的な運動によるストレス負荷時の循環反応ならぴに脳内神経活動の変化に、脳内オピオイド系が関与するか否かについて検討を試みた。脳内の神経活動の程度は、各脳部位でのc-fosの発現を指標に評価を試みた。実験には5週齢のラットを用い、自発走運動群(3匹)と対照群(3匹)の2群に分けた。自発走運動群のラットは回転車付きケージで、対照群のラットは通常のケージでそれぞれ12週間飼育した。両群のラットには、飼育6週目に血圧測定用の送信器を、12週目に薬物注入用の静脈内カテーテルを植え込む手術を行なった。飼育期間終了後に、金網でできた固定器の中に、両群のラットを1時間入れる拘束ストレスを日を変えて2回負荷した。ストレス負荷直前および負荷中に生理食塩水あるいはオピオイド受容体拮抗薬であるナロキソン(負荷直前:10mg/kg投与、負荷中:20mg/kg/時間の持続注入)を投与し、ストレス負荷による血圧、心拍数の変化を無線式テレメトリーシステムを用いて測定した。 その結果、生理食塩水を投与して拘束ストレスを負荷した時の血圧の上昇は、自発走運動群の方が対照群より少ない傾向を示した(5分目:運動群118±7、対照群127±15、30分目:運動群106±7拍/分、対照群119±11、60分目:運動群106±8、対照群115±10mmHg)。しかし、ストレス負荷時の昇圧反応が自発走運動群で少ない傾向は、ナロキソンを投与した場合でも認められ、両群ともナロキソン投与による影響は認められなかった。この点については、例数を増やしてさらに検討していく予定である。ストレス負荷終了60分後(ナロキソン投与時)における両群のラットの各脳部位でのc-fosの発現については、現在検討中である。
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