1999 Fiscal Year Annual Research Report
肥満およびインスリン抵抗性の成因としての骨格筋の役割-速筋優位モデルラットを用いての検討-
Project/Area Number |
10680037
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (80145193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 友浩 大阪工業大学, 一般教育科, 講師 (30217872)
勝田 茂 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70038446)
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Keywords | 速筋優位ラット / 高脂肪食負荷 / 筋線維組成 / 脂肪蓄積 / 酸化系酵素活性 |
Research Abstract |
【目的】 肥満を呈しているヒトやラットでは速筋線維構成比が高いことが示されていることから、筋線維組成は肥満の成因の一つと考えられているが、両者の因果関係には不明な点がある。本研究では、選択交配法により作成され、遺伝的に速筋線維構成比が高いことが明らかとなっている速筋線維優位ラット(FFDR;F群)およびランダム交配により得られた対照ラット(CR;C群)を用い、さらにこれらを低脂肪食群(L)と高脂肪食群(H)の計4群(FL,FH,CL,CH)に分け、上記の問題について検討を試みた。 【方法】 被検ラットとして、8週齢のFFDRおよびCRの雄(体重200-240g、n=7-9)を用い、低脂肪食群(20%f at)と高脂肪食群(60%f at)の計4群(FL,FH,CL,CH)を設定し、それぞれの飼料を6週間負荷した。なお、8週令において、4群間の体重には有意差を認めなかった。食事制限の間、摂食量と体重を記録した。6週間後に、ペントバルビタール麻酔下にて腓腹筋、足底筋、ヒラメ筋、肝臓を摘出し、速やかに凍結した。血液は血清分離して凍結保存した。その後、腹腔内脂肪を腸管膜、精巣周囲、腎周囲に分けて摘出した。 【結果と考察】その結果、4群間に摂食量には有意な差が認められなかったにも関わらず、高脂肪食負荷されたFFDR群の体重、体重増加量、および腹腔内脂肪量は、CR群に高脂肪食を負荷した場合に比べ、有意に低かった。さらに、摂食効率(体重増加量/摂食量)には、CH群が他群に比べ有意な高値を認めたことから、CR群に高脂肪食を負荷した場合に肥満を生じやすく、FFDR群は肥満抵抗性があることを認めた。つまり、先行研究とは異なり本実験で用いられたFFDR群においては速筋線維構成比が高いと脂肪蓄積が起こりにくいことが示唆された。この背景として、体重当たりの筋重量は4群間に差は見られなかったことから、筋の質的な違いが考えられる。今後は、筋の線維組成、生化学的特性など筋の質的形質を検討予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 熊谷秋三 他: "インスリン抵抗性と骨格筋の組織化学的・生化学的特性との関連性"運動生理学雑誌. 6. 1-16 (1999)
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[Publications] Suwa,M.,Jumagai,S.,et.al.: "Skeletal muscle phenotype,fat content and voluntary running activity in the fast-twitch fibre dominant and control rats."J.Health Sci.. 22. 59-64 (2000)