1999 Fiscal Year Annual Research Report
日米の大学体育学部・学科の専門養成における今後の展望
Project/Area Number |
10680042
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹下 俊一 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40258918)
|
Keywords | 大学体育学部・学科 / 専門教育 / 国際比較研究 |
Research Abstract |
アメリカの大学体育学部・学科の改革に関する文献調査の結果から、過去数十年を経て、アメリカの体育・スポーツの社会的背景は、フィットネスの個性化、生活水準の向上、スポーツの成長、教員の減少からくる職業の多様化、研究の進歩などの分野でカリキュラム等の改革が見られた。同様に1991年の大学大綱化以降、日本の15の体育学部(旧体育学部を含む)においても従来の体育学科や武道学科の他に体力科学、健康スポーツ、マネジメント、アウトドア-リゾート等の学科やコースが設置されていた。 日本に比べアメリカの大学では専門学校の役割もになっているが、4年間の基礎教育と専門教育で、実務的な能力に加えその科学的裏付けを行っている。「知っている人材」よりも「できる人材」、これはアメリカの大学と日本の大学の専門家養成における根本的な相違といえる。例えば理学部が基礎教育・研究の色彩が強いのに対して工学部が応用を重視するように、日本の大学では教養・概論的な知識教育が主流で、アメリカの場合は基礎教育は経営学部や理学部等にまかせ体育学部では応用力の養成と長期の実務実習にあて実践能力の養成にその比重を置いていた。 体育学自体が様々な分野を包括した総合学問・応用学問とするならば、職業に対応した運動生理・バイオメカニクス/行動科学・経営管理/教育方法等の分野の独立性を増し、大学カリキュラムやコース制にその独立性を持ってさらに実務的な色彩を強くしてゆくことがアメリカと対比した場合日本にとって重要な 示唆となろう。
|
-
[Publications] 竹下俊一: "専門家養成からみた体育の専門知識-日米大学体育学部カリキュラムの比較研究から-"日本体育学会第50回記念大会/体育・スポーツ関連学会連合大会大会号. 820 (1999)
-
[Publications] 竹下俊一: "アメリカの大学におけるスポーツマネジメント専門家養成の実態"日本体育学会第50回記念大会/体育・スポーツ関連学会連合大会大会号. 385 (1999)
-
[Publications] 竹下俊一: "日米のスポーツマネジメント教育-大学カリキュラムの比較から-"日本体育・スポーツ経営学会第22回大会. (2000)