2000 Fiscal Year Annual Research Report
日米の大学体育学部・学科の専門養成における今後の展望と課題
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10680042
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹下 俊一 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40258918)
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Keywords | 体育 / 専門家教育 / 大学学部教育 / カリキュラム / 学位 / 日本 / アメリカ合衆国 / 学問教育 |
Research Abstract |
アメリカの大学体育学部・学科の改革に関する文献調査の結果から、過去数十年の間に、フィットネスの個性化、生活水準の向上、スポーツの成長、教員の減少からくる職業の多様化、研究の進歩などに合わせたカリキュラム等の改革が確認された。アメリカの場合、すでに1980年代には教員養成以外の専門コースの設置が進み、1990年代にはコースの多様化という変化はみられなかった。反対に日本の場合、1991年の大学大綱化以降、特に体育学部をもつ大学では複数のコース設定を行い体育の専門教育の多様化がみられた。また日本でも学科名・専攻名はアメリカのように多様化してきている傾向がみられた。 体育関係の学位のタイトルをみる限り、日本の場合学位の種類は限られているが、アメリカでは「sport」「fitness」等体育の一教材であったものが、スポーツ自体の多様化や社会的役割から従来の「体育」以外の専門性としての位置付けが進んでいた。その他体育・スポーツ関連の専門性のタイトルである学位が160種類以上みられた。またアメリカでは半数近くの大学で"Physical Education"の学位を現在も授与しており、学部名においても「体育」が依然として主であることがわかった。 体育・スポーツの専門教育内容を比較してみると、実技科目の単位数について日本の大学では運動各種目の履修を義務付けており単位数も比較的多い。実務実習についてはアメリカの方が多くの必修時間を義務付けていた。大学によっては一学期間を実習にあてていた。また専門基礎科目に関してアメリカでは体育以外の他学部の科目履修が広く採用されていた。日本の体育学部・学科における今後の課題として(他の分野とも共通する課題および大学組織全体に関わる課題であるが)、体育・スポーツに関する基礎・応用知識を学部の枠を越えた受講できるシステムつくりや就職市場開拓に繋がるような実務的な専門教育の推進をはかることが重要であろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshita,Shunichi: "A Comparative Study of Physical Educatin Professional Preparation in the United State and Japan"Proceeding of 11^<th> Conference of International Society for Comparative Physical Education and Sport. 11. 207-218 (2000)
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[Publications] 竹下俊一: "アメリカの大学におけるスポーツ教育関連の学位の実態"日本スポーツ教育学会第20回記念国際大会プロシーディング. (印刷中). (2001)